The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

July 20, 2000 Vol. 343 No. 3

無症候性成人における遠位の結腸直腸検査所見に基づいた近位の進行腫瘍のリスク
Risk of Advanced Proximal Neoplasms in Asymptomatic Adults According to the Distal Colorectal Findings

T.F. IMPERIALE AND OTHERS

背景

 遠位の結腸直腸ポリープの臨床的意義は不明である.

方 法

 そこで,われわれは,繊毛状の特徴を有するポリープ,高度異形成のポリープ,あるいは癌として定義した近位進行腫瘍のリスクについて,遠位に過形成性または腫瘍性のポリープが認められた患者におけるリスクと,遠位にポリープの認められなかった患者のリスクとを比較することによって測定した.雇用主によって行われている健康保険プログラムの一部として,大腸内視鏡検査のスクリーニングを 1995 年 9 月~ 1998 年 12 月に初めて受けた無症候性の成人(年齢,50 歳以上)を対象として,その連続した 1,994 例から得られたデータを解析した.発見されたポリープは,すべてのポリープについて位置と組織学的特性を記録した.これらの患者の 97.0%には,盲腸にまで大腸内視鏡検査を実施することができた.

結 果

 遠位結腸の進行病変は 5 例の癌患者を含む 61 例(3.1%)の患者に発見され,近位結腸の進行病変は 7 例の癌患者を含む 50 例(2.5%)に発見された.近位に進行腫瘍が発見された患者の 23 例(46%)には,遠位にポリープの発生は認められなかった.遠位にポリープが発見されなかった患者の近位の進行腫瘍の有病率は 1.5%(1, 564 例中 23 例; 95%信頼区間,0.9 ~ 2.1%)であった.遠位に過形成ポリープが発見された患者,遠位に管状腺腫が発見された患者,および遠位に進行ポリープが発見された患者の近位の進行腫瘍の有病率は,それぞれ 4.0%(201 例中 8 例),7.1%(168 例中 12 例),および 11.5%(61 例中 7 例)であった.年齢および性別で補正した近位の進行腫瘍の相対危険度は,遠位にポリープが発見されなかった患者に対して,遠位に過形成ポリープが発見された患者では 2.6,遠位に管状腺腫が発見された患者では 4.0,遠位に進行ポリープが発見された患者では 6.7 であった.また,近位の進行腫瘍のリスク上昇には,高年齢および男性であることが関連していた(相対危険度,年齢が 5 歳上昇するごとに 1.3,および男性で 3.3).

結 論

 遠位結腸にポリープを有している 50 歳以上の無症候性の人々は,遠位結腸にポリープを有していない人々よりも,近位結腸に進行腫瘍が発生している可能性が高い.しかしながら,遠位結腸にポリープが発見された人々にしか大腸内視鏡検査のスクリーニングを実施しないとすると,近位結腸に進行腫瘍が発生している患者の約半数しか発見できないだろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 169 - 74. )