August 10, 2000 Vol. 343 No. 6
極端な早期産後の神経学的障害と発達障害
Neurologic and Developmental Disability after Extremely Preterm Birth
N.S. WOOD, N. MARLOW, K. COSTELOE, A.T. GIBSON, AND A.R. WILKINSON
いくつかの小規模な研究において,超未熟児として産まれた数多くの小児には精神学的障害と発達障害が認められるということが示されている.われわれは,英国とアイルランドにおいて,1995 年 3 月~12 月に,妊娠 25 週以前で産まれたすべての小児を対象に,月齢の中央値 30 ヵ月の時点で評価を行った.
各小児に対して,独立した検査者による正式な評価を行った.発達の評価は Bayley の新生児発達スケール(Bayley Scales of Infant Development)を用いて行い,神経機能の評価は標準化された検査法によって行った.障害および重度障害の判定は,前もって定義しておいた基準に基づいて行った.
在胎期間で補正した月齢の中央値 30 ヵ月の時点で生存していた 308 例のうち,283 例(92%)で正式な評価が行われた.Bayley の発達指数の平均(±SD)スコアは,この年齢期の小児集団の標準化した平均スコアを 100 点とすると,精神発達指数が 84±12 点,精神運動発達指数が 87±13 点であった.53 例(19%)に重度の発達遅延が認められ(これらの小児のスコアは平均値より 3 SD 超低かった),さらに 32 例(11%)のスコアは平均値よりも 2~3 SD 低かった.28 例(10%)には重度の精神運動障害が認められ,7 例(2%)は盲目または光覚弁で,8 例(3%)は矯正不能あるいは補聴器が必要な難聴であった.全体で,138 例に障害があり(49%;95%信頼区間,43~55%),そのうちの 64 例は重度障害の基準に合致していた(23%;95%信頼区間,18~28%).各施設の小児科医によって評価された 17 件のデータを含めると,退院した 314 例の新生児のうち,155 例(49%)に障害はなかった.
超未熟児として産まれた小児においては重度障害はまれなことではなく,この小児集団には大きな課題が残っている.