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August 31, 2000 Vol. 343 No. 9

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男性の骨粗鬆症治療におけるアレンドロン酸
Alendronate for the Treatment of Osteoporosis in Men

E. ORWOLL AND OTHERS

背景

男性の骨粗鬆症は,身体障害や死亡との関連があり,医療費の上昇にもつながっているにもかかわらず,研究課題としては比較的軽視されている.それゆえ,男性を対象とした骨粗鬆症の治療の大規模比較対照試験は,これまでに実施されていない.

方 法

骨粗鬆症の男性 241 例(年齢,31~87 歳;平均,63 歳)を対象とした 2 年間の二重盲検試験を実施し,アレンドロン酸の 10 mg とプラセボの連日投与の骨密度に及ぼす効果について検討した.試験開始時の遊離テストステロンの血清中濃度は,約 1/3 の男性で低下していた;残りの男性は正常濃度であった.今回の試験では,この遊離テストステロン濃度以外に骨粗鬆症を二次的に引き起す原因を有していた男性は除外した.すべての男性に,カルシウムとビタミン D の栄養補助食品を摂取させた.主要転帰の測定尺度は,腰椎,腰,および全身の骨密度のパーセント変化とした.

結 果

骨密度は,アレンドロン酸の投与を受けた男性では,平均(±SD)で,腰椎が 7.1±0.3%,大腿骨頸が 2.5±0.4%増加し,全身では 2.0±0.2%増加した(すべての測定部位に関して,試験開始時との比較で p<0.001).これに対して,プラセボの投与を受けた男性では,腰椎の骨密度が 1.8±0.5%増加しただけで(試験開始時との比較で p<0.001),大腿骨頸や全身の骨密度には有意な変化は認められなかった.そして,アレンドロン酸群の骨密度の増加は,すべての測定部位において,プラセボ群の増加よりも大きかった(p<0.001).脊椎骨折の発生率も,アレンドロン酸群がプラセボ群よりも低かった(0.8% 対 7.1%,p = 0.02).また,プラセボ群の男性は身長が 2.4 mm 低くなったのに対して,アレンドロン酸群の男性では 0.6 mm しか低くならなかった(p = 0.02).アレンドロン酸の忍容性は全体的に良好であった.

結 論

骨粗鬆症の男性において,アレンドロン酸は,脊椎,腰,および全身の骨密度を有意に増加させ,脊椎骨折と身長の短縮の予防に役立つ.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 604 - 10. )