The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 7, 2000 Vol. 343 No. 10

重症の急性喘息の小児に対する吸入フルチカゾンと経口プレドニゾンの比較
A Comparison of Inhaled Fluticasone and Oral Prednisone for Children with Severe Acute Asthma

S. SCHUH AND OTHERS

背景

 小児喘息の治療には,吸入コルチコステロイドが有効である.しかしながら,重症の急性喘息の管理において,吸入コルチコステロイドが,どの程度,経口コルチコステロイドに匹敵するものなのかは確かめられていない.

方 法

 今回,われわれは,5 歳以上の小児 100 例に二重盲検無作為試験をした.対象は重症の急性喘息(一秒あたり最大努力呼気肺活量[ FEV1 ]が予測値の 60%未満の場合)で,治療結果の評価が可能であると考えられた小児である.全例に,積極的気管支拡張治療レジメンを行うとともに,噴霧器付きの定量吸入器を用いた 2 mg の吸入フルチカゾンの 1 回吸入投与か,あるいは 2 mg / kg 体重の経口プレドニゾンの 1 回投与のいずれかを行った.そして,投与 4 時間目まで 1 時間ごとに評価した.

結 果

 予測値のパーセント割合で表した投与開始時の平均(± SD)FEV1 は,フルチカゾン群(51 例)が 46.3 ± 12.5 で,プレドニゾン群(49 例)が 43.9 ± 9.9 であった.治療後 4 時間目の時点における FEV1 は,フルチカゾン群では平均値で 9.4 ± 12.5%ポイント上昇し,プレドニゾン群では 18.9 ± 9.8%ポイント上昇した(p < 0.001).プレドニゾン群では,予測値のパーセント割合で表した FEV1 が,投与開始時から投与 4 時間目までに低下した小児は 1 例もいなかったのに対して,フルチカゾン群では 25%の小児において低下した(p < 0.001).また,フルチカゾンの治療を受けた小児の 16 例(31%)が入院したのに対して,プレドニゾンの治療を受けた小児では 5 例(10%)が入院した(p = 0.01).

結 論

 重症の急性喘息の小児に対しては,経口プレドニゾンの治療を行うべきであり,吸入フルチカゾンや類似薬の吸入コルチコステロイドでは治療すべきではない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 689 - 94. )