The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

September 28, 2000 Vol. 343 No. 13

多発性硬化症の初回脱髄発現時に開始するインターフェロン β - 1a の筋肉内投与療法
Intramuscular Interferon Beta-1a Therapy Initiated during a First Demyeloinating Event in Multiple Sclerosis

L.D. JACOBS AND OTHERS

背景

 インターフェロン β(IFN- β )は,多発性硬化症が確定した患者の状態を軽快させることが示されているが,臨床的脱髄の初発時にインターフェロン β の治療を開始することに価値があるかどうかはわかっていない.

方 法

 急性の臨床的脱髄イベント(視神経炎,不完全横断性脊髄炎,または脳幹あるいは小脳症候群)の初発患者,および脳の磁気共鳴画像法(MRI)で臨床的に顕在化する前の潜在性脱髄所見が確認された患者 383 例を対象とした無作為二重盲検試験を実施した.コルチコステロイドの初回治療が終了してから,193 例の患者がインターフェロン β -1a の 30 μ g を 1 週間に 1 回筋肉内投与する治療に,190 例が 1 週間に 1 回のプラセボ筋注に無作為に割り付けられた.本試験のエンドポイントは,臨床的に明らかな多発性硬化症への進展および脳の MRI 所見の変化であった.なお,本試験は,あらかじめ計画されていた有効性の中間解析によって中止された.

結 果

 3 年間の追跡調査期間において,臨床的に明らかな多発性硬化症への進展の累積確率は,インターフェロン β -1a 群がプラセボ群よりも有意に低かった(累積確率の比,0.56; 95%信頼区間,0.38 ~ 0.81; p = 0.002).プラセボ群の患者と比較して,インターフェロン β -1a 群の患者は,治療 18 ヵ月の時点において,脳の病変の容積の相対的縮小が認められるとともに(p < 0.001),新たな病変や増大した病変も少なく(p < 0.001),ガドリニウムで増強される病変も少なかった(p < 0.001).

結 論

 臨床的に明らかな多発性硬化症に進展する危険性の高い脳病変が MRI で確認された患者には,脱髄イベントの初回発現時にインターフェロン β -1a の治療を開始することは有用である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 898 - 904. )