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June 28, 2001 Vol. 344 No. 26

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超低出生体重児におけるインドメタシン予防法の長期効果
Long-Term Effects of Indomethacin Prophylaxis in Extremely-Low-Birth-Weight Infants

B. SCHMIDT AND OTHERS

背景

超低出生体重児(出生体重が 1,500 g 未満の新生児)に対するインドメタシンの予防投与は,動脈管開存と重症脳室内出血の発生頻度を減少させる.インドメタシンを用いた予防法には,この薬剤によって誘発される腎臓,腸,および脳の血流量の減少というリスクにまさる長期の有益性があるのかどうかについてはわかっていない.

方 法

出生体重が 500~999 g(超低出生体重)であった新生児 1,202 例を,出生後速やかに,インドメタシン(体重 1 kg 当り 0.1 mg)またはプラセボの 1 日 1 回,3 日間の静脈内投与に無作為に割付けた.主要転帰は,補正月齢 18 ヵ月目までの死亡,脳性麻痺,認知発達遅延,難聴,および失明の複合転帰とした.副次的長期転帰には,主要転帰と同じ時間枠における,シャント植込みが必要な水頭症,発作性疾患,および小頭症を設定した.副次的短期転帰には,動脈管開存,肺出血,慢性肺疾患,超音波検査による頭蓋内異常所見,壊死性腸炎,および網膜症を設定した.

結 果

主要転帰のデータを入手することができた新生児のうち,死亡または障害の残った新生児は,インドメタシン予防法に割付けられた 574 例では 271 例(47%)であったのに対し,プラセボに割付けられた 569 例では 261 例(46%)であった(オッズ比,1.1;95%信頼区間,0.8~1.4;p = 0.61).インドメタシンは,動脈管開存の発生率(24%,プラセボ群では 50%;オッズ比,0.3;p<0.001)と,重症の脳室周囲出血および脳室内出血の発生率(9%,プラセボ群では 13%;オッズ比,0.6;p = 0.02)を低下させた.これら以外の転帰については,インドメタシンの予防投与によって何の変化もなかった.

結 論

超低出生体重児に対するインドメタシン予防法は,動脈管開存と重症の脳室周囲出血および脳室内出血の発生頻度を減少させるという事実にもかかわらず,月齢 18 ヵ月までの知覚神経障害を伴わない生存率を改善しない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 1966 - 72. )