The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 1, 2001 Vol. 345 No. 18

膝の待機大手術後の静脈血栓塞栓症の予防のためのエノキサパリンと比較したフォンダパリヌクス
Fondaparinux Compared with Enoxaparin for the Prevention of Venous Thromboembolism after Elective Major Knee Surgery

K.A. BAUER, B.I. ERIKSSON, M.R. LASSEN, AND A.G.G. TURPIE

背景

血栓予防剤を用いても,膝の大手術には静脈血栓塞栓症の高リスクが伴う.合成抗血栓薬の新しい範疇に属する最初の薬剤であるフォンダパリヌクス(fondaparinux)が,このリスクを減少させるかもしれない.

方 法

二重盲検試験において,膝の待機大手術を受ける予定になっていた 1,049 例の連続した患者を,術後に開始するどちらかの治療,フォンダパリヌクス 2.5 mg 1 日 1 回皮下投与,またはエノキサパリン 30 mg 1 日 2 回皮下投与のいずれかに,無作為に割付けた.有効性の主要転帰は,必須検査として実施した両脚の静脈造影法よって検出された深部静脈血栓症,記載された症候性深部静脈血栓症,または記載された症候性肺塞栓症として定義された静脈血栓塞栓症の,術後 11 日目までの発生であった.安全性の主要転帰は大出血であった.

結 果

有効性の主要転帰は 724 例の患者において評価された.11 日目までの静脈血栓塞栓症の発生率は,フォンダパリヌクス群(12.5%[ 361 例中の 45 例])が,エノキサパリン群(27.8%[ 363 例中の 101 例])よりも有意に低かった(リスクの低下,55.2%;95%信頼区間,36.2~70.2%;p<0.001).大出血(出血指数が 2 以上の明らかな出血を含む)は,フォンダパリヌクス群でより高頻度に発現したが(p=0.006),死亡または再手術にいたるような出血,あるいは予後に影響を与える重要器官における出血の発生は 2 群間に有意な差を認めなかった.

結 論

膝の待機大手術を受ける患者において,フォンダパリヌクス 2.5 mg 1 日 1 回の術後治療は,エノキサパリン 30 mg 1 日 2 回よりも,深部静脈血栓症の予防に有意に有効であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 1305 - 10. )