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November 22, 2001 Vol. 345 No. 21

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喘息の成人および小児における不活化インフルエンザワクチンの安全性
The Safety of Inactivated Influenza Vaccine in Adults and Children with Asthma

AMERICAN LUNG ASSOCIATION ASTHMA CLINICAL RESEARCH CENTERS

背景

インフルエンザは,喘息の成人および小児においてかなりの症状を呈するが,ワクチン接種によってインフルエンザとその合併症を予防することが可能である.しかしながら,ワクチン接種によって喘息が増悪するかもしれないという懸念がある.

方 法

喘息の成人および小児において,不活化させた 3 価の分解ウイルスのインフルエンザワクチンの安全性を調べるために,喘息患者 2,032 例(年齢範囲,3~64 歳)を対象として,多施設共同のプラセボを対照とした無作為二重盲検クロスオーバー試験を実施した.ワクチンとプラセボの接種順序は無作為に割付け,その接種間隔は平均で 22 日間であった.それぞれの接種後 2 週間のあいだ毎日,患者が,最高呼気流量(PEFR),接種に関連していると思われる症状,喘息治療薬の使用,喘息による予定外の受診,および喘息に関連した学校の欠席または職場欠勤の記録を付けた.主要転帰の評価は,接種後 2 週間における喘息の増悪であった.

結 果

喘息増悪の頻度は,インフルエンザワクチンの接種後とプラセボ接種後の 2 週間において同程度であった(それぞれ,28.8%および 27.7%;絶対差,1.1%;95%信頼区間,-1.4%~3.6%).増悪率は,年齢,喘息の重症度,およびその他の因子によって定義した患者部分集団において同程度であった.接種に関連していると思われた症状のうち,全身の痛みのみが,ワクチン接種後において,プラセボ接種後よりも多く発現した(25.1% 対 20.8%,p<0.001).

結 論

不活化インフルエンザワクチンは,重症の喘息患者を含めて,喘息の成人および小児に問題なく安全に接種することができる.インフルエンザの症状を考えると,すべての喘息患者が,毎年,インフルエンザワクチンの接種を受けるべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 1529 - 36. )