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December 13, 2001 Vol. 345 No. 24

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卵円孔開存,心房中隔動脈瘤,またはその両方に関連した再発性脳血管系イベント
Recurrent Cerebrovascular Events Associated with Patent Foramen Ovale, Atrial Septal Aneurysm, or Both

J.-L. MAS AND OTHERS

背景

卵円孔開存と心房中隔動脈瘤は,脳卒中の潜在的な危険因子として同定されているが,再発性脳卒中のリスクに対するこれらの影響についての情報は乏しい.われわれは,これらの心臓の異常に関連した再発性脳血管系イベントのリスクについて検討した.

方 法

30 施設の神経科において,過去 3 ヵ月以内に原因不明の脳虚血性発作が発現した患者,合計 581 例(年齢,18~55 歳)を連続的に組み入れた.すべての患者に,二次予防としてアスピリン(300 mg / 日)の投与が行われた.

結 果

4 年後の時点における再発性脳卒中のリスクは,卵円孔開存のみが存在していた患者では 2.3%(95%信頼区間,0.3~4.3%),卵円孔開存と心房中隔動脈瘤の両方が存在していた患者では 15.2%(95%信頼区間,1.8~28.6%),これらの心臓の異常のどちらも存在していなかった患者では 4.2%(95%信頼区間,1.8~6.6%)であった.心房中隔動脈瘤のみが存在していた患者には再発は認められなかった.これら 2 つの心臓異常の存在は,再発性脳卒中のリスクの上昇の有意な予測因子であったが(これらの異常が存在しないことと比較したハザード比,4.17;95%信頼区間,1.47~11.84),卵円孔開存の単独存在は,その大きさにはかかわらず,予測因子ではなかった.

結 論

卵円孔開存及び心房中隔動脈瘤の両方を有し,かつ脳卒中を発症したことのある患者は,再発性脳卒中のリスクがかなり高い部分集団を構成しており,アスピリン以外の予防戦略を検討すべきであろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 1740 - 6. )