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August 2, 2001 Vol. 345 No. 5

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シュードモナス属によるホットフット症候群
The Pseudomonas Hot-Foot Syndrome

L. FIORILLO, M. ZUCKER, D. SAWYER, AND A.N. LIN

背景

1998 年 3月~5 月に,地域の子ども用プールを利用した小児の足底に,臨床的に特徴のある皮疹が集団発生した.

方 法

この時期にこの症候群が現れた小児 40 例の診療録を再検討した.17 例をわれわれが治療し,残りの 23 例は主治医に治療のアドバイスを与えた.最長で 1 年間の追跡データを入手した.

結 果

小児 40 例(2~15 歳)に,底にざらざらした砂が敷かれた子ども用プールで遊んでから 40 時間以内に,足底に激烈な疼痛を伴った紅色の小結節が出現した.1 例の足底の膿疱を培養した結果,このプールの水を培養して得られた緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)株と同じパルスフィールドゲル電気泳動パターンの P. aeruginosa が得られた.この患児の皮膚生検検体では,血管周囲,エクリン汗腺周囲への好中球浸潤が示され,別の患児の検体では,皮膚の微小膿瘍が認められた.37 例には対症療法が行われた;残りの 3 例にはセファレキシン(cephalexin)による治療が行われた.全例が 14 日以内に回復したが,3 例では,再度プールを利用したあと 24 時間以内に足底に有痛性小結節が再発した.1 例は毛嚢炎を生じた.

結 論

「シュードモナス属によるホットフット症候群」は,小児の足底における激烈な圧痛を伴う小結節の急激な出現と,自然消退する良性の経過を特徴とする.今回の地域社会における集団発生は,高濃度の P. aeruginosa に汚染されたプールの水への曝露後に発生した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 335 - 8. )