HIV 感染症のヌクレオシド治療失敗後におけるネルフィナビル,エファビレンツ,または両剤
Nelfinavir, Efavirenz, or Both after the Failure of Nucleoside Treatment of HIV Infection
M.A. ALBRECHT AND OTHERS
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(ヌクレオシド類似化合物)での治療にもかかわらず,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)血症が持続している患者に対する最適抗レトロウイルス治療は,依然として確定されていない.少なくとも 1 剤が新規投与である 2 種類のヌクレオシド類似化合物に,プロテアーゼ阻害剤のネルフィナビル,非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤のエファビレンツ,またはその両剤を併用したレジメンの治療法について試験を行った.
この試験には,ヌクレオシド類似化合物だけしか投与されておらず,血漿 HIV 1 型(HIV-1)RNA 量が少なくとも 500 コピー/mL であった患者 195 例を組み入れた.患者は,2 種類のヌクレオシド類似化合物に加えて,ネルフィナビル,エファビレンツ,またはネルフィナビルとエファビレンツを併用投与する治療に無作為に割付けられた.主要エンドポイントは,血漿 HIV-1 RNA 量が 16 週目に 500 コピー/mL 未満になっていることであった.副次的エンドポイントは,40 週目および 48 週目に測定した HIV-1 RNA 量の複合とした.
16 週目と,40 および 48 週目において,血漿 HIV-1 RNA 量が 500 コピー/mL 未満に達した患者の割合は,それぞれ,ネルフィナビル+エファビレンツ群では 81%および 74%,エファビレンツ群では 69%および 60%,ネルフィナビル群では 64%および 35%であった.4 剤併用療法では,短期(p = 0.03)および長期(p = 0.001)の両方において,ネルフィナビルを含んだ 3 剤併用療法よりも高いウイルス抑制率が得られた.エファビレンツを含んだ 3 剤併用療法では,ネルフィナビルを含んだ 3 剤併用療法よりも高い長期抑制率が得られた(p = 0.004).4 剤併用療法もまた,エファビレンツを含んだ 3 剤併用療法との比較で,高いウイルス学的抑制率が得られた(p = 0.008).
ヌクレオシド類似化合物の治療を受けた HIV 感染患者では,ネルフィナビル+エファビレンツと,少なくとも一剤は新規投与のヌクレオシド類似化合物との併用治療のほうが,ヌクレオシド類似化合物とネルフィナビルまたはエファビレンツのどちらか一剤との併用レジメンよりも,高いウイルス抑制率が得られる.