August 16, 2001 Vol. 345 No. 7
米国における管理されていない高血圧症患者の特徴
Characteristics of Patients with Uncontrolled Hypertension in the United States
D.J. HYMAN AND V.N. PAVLIK
高血圧症の治療は,米国の医師のもっとも一般的な臨床責務の一つであるが,高血圧症患者の 1/4 しか血圧が適切に管理されていない.
高血圧症の管理における保健医療の利用機会および実際の利用の役割を評価することを目的として,第三次国民健康栄養調査(the third National Health and Nutrition Examination Survey)のデータを解析した.高血圧症は,血圧が最低 140/90 mmHg または降圧剤の使用と定義した.
研究標本は,25 歳以上の,血圧の値がわかっていた成人 16,095 例から成っていた.われわれは,人口の 27%が高血圧症であると推定したが,高血圧症者のわずか 23%が薬剤を服用して,病態が管理されていたにすぎなかった.治療を受けていない,あるいは管理されていない高血圧症者では,血圧のパターンは,拡張期血圧は 90 mmHg 未満で,収縮期血圧が高いというものであった.大多数は医療保険に加入していた.高血圧症の認識不足の独立した予測因子は,年齢が 65 歳以上,性別が男性,人種が非ヒスパニック系黒人,および過去 12 ヵ月間に医療機関を受診していないことであった.これらから,人種が非ヒスパニック系黒人という点を除いた同じ変数が,病態を認識していた被験者における高血圧症の管理不良と独立して関連していた.年齢が 65 歳以上であることが,高血圧症の認識不足および病態認識被験者における高血圧症の管理不足の寄与危険度に,もっとも大きな割合を占めていた.
米国の管理されていない高血圧症のほとんどの症例が,高齢の収縮期のみの軽度高血圧症であり,その大部分は保健医療への受診機会を有し,比較的頻繁に医師と接触している.