August 16, 2001 Vol. 345 No. 7
たばこ業界との基本和解合意とたばこの雑誌広告
The Master Settlement Agreement with the Tobacco Industry and Cigarette Advertising in Magazines
C. KING III AND M. SIEGEL
1998 年に,46 州の司法長官が,米国のたばこ会社の最大手 4 社との基本和解合意(a Master Settlement Agreement)に署名した.この合意は,18 歳未満の若者を標的としたたばこ広告を禁止している.
1995~2000 年のあいだに 38 種類の雑誌に掲載された,特定の 15 銘柄のたばこの広告費用と,そのたばこ広告への若者の曝露について,傾向を分析した.1998 年に,8 学年,10 学年,および 12 学年の喫煙者の 5%以上によって吸われていたたばこの銘柄を,「若者」銘柄と定義した;その他の銘柄はすべて,「成人」銘柄とみなした.読者の少なくとも 15%,あるいは少なくとも 200 万人の読者が 12~17 歳であった雑誌を,若者向け雑誌として分類した.広告への曝露の標準尺度の一つである「広告到達率」は,任意の 1 年間に,ある特定の 1 銘柄のたばこの広告が掲載された雑誌を少なくとも 1 冊は読んだ若者の人数として定義した.
2000 年のドル換算で,38 雑誌に掲載された 15 銘柄のたばこの総広告費用は,1995 年が$238.2 百万,1998 年が$219.3 百万,1999 年が$291.1 百万,2000 年が$216.9 百万であった.若者向け雑誌に掲載された若者銘柄の広告費用は,1995 年が$ 56.4 百万,1998 年が$58.5 百万,1999 年が$67.4 百万,2000 年が$59.6 百万であった.若者向け雑誌に掲載された成人銘柄の広告費用は,それぞれ,$72.2 百万,$82.3 百万,$108.6 百万,および$67.6 百万であった.2000 年には,若者銘柄のたばこの雑誌広告は,米国の若者の 80%以上に到達し,広告への平均曝露回数は若者一人あたり 17 回であった.
たばこ業界との基本和解合意は,雑誌へのたばこの広告と,これらの広告への若者の曝露に対してほとんど効果がなかったと思われる.