September 27, 2001 Vol. 345 No. 13
入院患者に対する予防医療の実施を増加させるためのコンピュータによる注意喚起システム
A Computerized Reminder System to Increase the Use of Preventive Care for Hospitalized Patients
P.R. DEXTER AND OTHERS
コンピュータによる注意喚起は,外来環境では予防医療を増加させるのに有効であるが,入院環境については証明されていない.
コンピュータによる注意喚起が,入院患者に対して四つの予防的治療がオーダーされる率に及ぼす影響を調べるため,無作為化対照試験を実施した.18 ヵ月間の試験期間のあいだ,コンピュータによるシステムは,一般内科病棟に入院した 6,371 例の患者すべて(入院件数:計 10,065 件)について,オンラインの情報を分析し,適切と判断した場合に予防医療の注意喚起を行った.介入群の医師は,それらの注意喚起を,入院患者用のコンピュータによるオーダー入力システムを使用しているさいに目にした.
注意喚起システムは,3,416 例(53.6%)を,担当医師がオーダーしていなかった予防対策に適格であると同定した.少なくとも一つの適応があった患者について,コンピュータによる注意喚起は,四つの予防的治療の補正オーダー率を以下のとおり上昇させた:肺炎球菌ワクチンの接種(介入群の患者の 35.8% 対 対照群の患者の 0.8%,p<0.001),インフルエンザワクチンの接種(51.4% 対 1.0%,p<0.001),予防的ヘパリン投与(32.2% 対 18.9%,p<0.001),退院時の予防的アスピリン投与(36.4% 対 27.6%,p<0.001).
この試験における入院患者の大多数は予防対策に適格であり,コンピュータによる注意喚起は,予防的治療の提供率を有意に上昇させた.