The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 14, 2002
Vol. 346 No. 7

  • 組換え型エリスロポエチン治療後の赤芽球癆
    Pure Red-Cell Aplasia after Treatment with Recombinant Erythropoietin

    組換え型エリスロポエチン治療後の赤芽球癆

    3 年のあいだに,組換え型ヒト・エリスロポエチン(エポエチン)を投与されている慢性腎不全患者において,まれな疾患である赤芽球癆を 13 症例確認した;フランスにおいて 12 例,イギリスにおいて 1 例.すべての患者は,in vitro において赤血球新生を阻害し,高親和にエポエチンと結合する抗体をもっていた.エポエチン投与の中断にもかかわらず,ほとんどの患者は依然として輸血依存的である.
    エポエチンによって引き起される内因性エリスロポエチンに対する自己免疫応答は,これら 13 例の患者において,赤芽球癆発現の原因である可能性がもっとも高い.通常の原因が存在しない状況で貧血が突然発現したエポエチン治療患者においては,そのような応答を考慮に入れるべきである.

  • 血漿ホモシステインとアルツハイマー病
    Plasma Homocysteine and Alzheimer's Disease

    血漿ホモシステインとアルツハイマー病

    痴呆ではない高齢被験者 1,092 人のコホートを前向きに研究した.中央値で 8 年の追跡調査期間後,111 人に痴呆が発症した.他の既知の危険因子で補正したあとでさえ,ベースライン時の上昇した総血漿ホモシステイン濃度は臨床的痴呆の発症の独立した予測因子であり,ほとんどアルツハイマー病が原因であった.アルツハイマー病リスクは,血漿ホモシステイン濃度がもっとも高い患者ではほぼ 2 倍であった.
    この前向きな観察研究は,血漿ホモシステイン濃度と痴呆リスクとの関連性を示す根拠を大いに強化する.葉酸の補充により血漿ホモシステイン濃度が低下できることから,この報告は痴呆の予防の一助となる介入法を示唆している.

  • 成人の肺ランゲルハンス細胞組織球症の臨床転帰
    Clinical Outcomes of Pulmonary Langerhansユ-Cell Histiocytosis in Adults

    成人の肺ランゲルハンス細胞組織球症の臨床転帰

    成人の肺ランゲルハンス細胞組織球症はまれな間質性肺疾患であり,その経過と転帰については詳しくは明らかにされていない.この研究では,はっきり診断が確定した成人患者 102 例の記録を再検討した.中央値 4 年の追跡調査期間で,33 例が死亡し,うち約半数は呼吸不全に起因するものであった.全生存期間は,性別と出生暦年が一致する人で期待される生存期間に比較して有意に短かった.
    成人型肺ランゲルハンス細胞組織球症の大規模な患者群に関するこの研究は,このまれな疾患の経過と罹患患者の予後を明らかにしている.

  • 血液透析を受けている患者に対する黄色ブドウ球菌結合ワクチン
    Staphylococcus aureus Conjugate Vaccine in Patients Receiving Hemodialysis

    この二重盲験プラセボ対照試験では,黄色ブドウ球菌に毒性を付与している 2 つのもっとも一般的な莢膜多糖類を含む結合ワクチンの利用を評価した.長期間血液透析を受けている成人では,ワクチン単回投与は,ワクチン接種後 3~40 週間,黄色ブドウ球菌菌血症に対し 57%の有効性を示した.
    この高リスク患者を対象とした有望な試験では,黄色ブドウ球菌結合ワクチンが安全かつ免疫原性を有し,危険なタイプの菌血症に対していくらか予防効果を示すことが明らかになった.しかし,予防効果はワクチン接種後約 40 週間で衰え,全 54 週間の試験期間においては有意ではなかった.

  • Special Article:消費者向けの薬剤広告
    Special Article: Direct-to-Consumer Drug Advertising

    薬剤の消費者向け広告の費用は,1996~2000 年のあいだに 3 倍になり,25 億ドルに達した.このような広告の大部分はテレビで行われる.厳選された薬剤がこのような広告の対象となり,広告に費やす経費は経時的に顕著に変化することがある(例えば抗ヒスタミン薬は特定の季節に広告される).
    消費者向け広告に要した費用は,薬剤の販売促進に関する支出全体の 15%を占めるにすぎないが,この費用の相当な増加は,患者が広告を介して得た情報を理解するのを手助けするために,医師が限られた時間をより多く割かなければならないことを意味している.

  • Clinical Practice:たばこの常用と依存症の治療
    Clinical Practice: Treating Tobacco Use and Dependence

    Clinical Practice:たばこの常用と依存症の治療

    安定狭心症を有し,うつ病の既往歴をもつ 66 歳の女性が,1 日 25 本たばこを吸う.患者はたばこをやめたいが,体重増加を気にしている.患者は何度かみずからたばこをやめようと試みたが,失敗している.どのような治療を行うべきであろうか?
    この論文では禁煙を容易にするアプローチを概説する.

  • Sounding Board:ハイテク・スクリーニング検査の消費者への直接的売り込み
    Sounding Board: Direct-to-Consumer Marketing of High-Technology Screening Tests

    著者らは,ハイテク医用スクリーニング検査の消費者への直接売り込みが今では普通に行われていることを厳しく批判している.顕著な例として,肺癌検査のための電子ビーム・コンピュータ断層撮影をあげており,そのような検査の妥当性,財政的影響および可能性のある倫理上の問題について懸念を表明している.