The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 1, 2010
Vol. 363 No. 1

ORIGINAL ARTICLE

  • 頸動脈狭窄に対するステント留置術と頸動脈内膜剥離術の比較
    Stenting vs. Endarterectomy for Carotid-Artery Stenosis

    頸動脈狭窄に対する治療法としてステント留置術と頸動脈内膜剥離術を比較した無作為化試験において,脳卒中・心筋梗塞・死亡の複合主要エンドポイントの発生率に有意差は認められなかった(それぞれ 7.2%,6.8%;P=0.51).脳卒中の発生頻度はステント留置術群のほうが頸動脈内膜剥離術群より高く,心筋梗塞の発生頻度は頸動脈内膜剥離術群のほうが高かった.脳卒中または死亡の 4 年発生率は,ステント留置術群で 6.4%,頸動脈内膜剥離術群で 4.7%であった(P=0.03).

  • HPV と中咽頭癌
    HPV and Oropharyngeal Cancer

    ヒトパピローマウイルス(HPV)に関連する中咽頭扁平上皮癌は,たばこやその他の要因に起因する中咽頭癌とは異なるものである.この試験では,中咽頭癌患者に対してシスプラチンと放射線の併用治療を行ったところ,3 年間の全生存率は HPV 陽性患者で 82.4%,HPV 陰性患者で 57.1%であった.HPV の状態は,中咽頭扁平上皮癌患者の独立した予後予測因子である.

  • 完全皮下植込み型除細動器
    An Entirely Subcutaneous Implantable Cardioverter-Defibrillator

    2 つの短期試験において,経静脈リードも心外膜リードも用いない完全皮下植込み型除細動器の適切な機器構造を明らかにし,必要なエネルギー量を検討した.続いて行われた 6 例を対象にした長期パイロット試験と 55 例を対象にした単群試験では,皮下植込み型除細動器により,誘発された心室細動は一貫して検出され除細動に成功し,自発性の心室性頻脈性不整脈 12 件もすべてが検出され,治療された.

SPECIAL ARTICLE

  • 診断に関連する医療行為における地域差
    Regional Variations in Diagnostic Practices

    この論文では,米国では診断に関連する医療行為に顕著な地域差があることが示されている.著者らによると,この地域差はリスク補正に重大な影響を与え,有効性比較試験,情報公開,支払い金額の改定に偏りが生じる可能性があるという.

  • メディケア支出の地域差
    Geographic Differences in Medicare Spending

    地域間でメディケアの支出に大きな違いがあることから,地域によって不適切な支出のある可能性が懸念されている.この研究で著者らは,患者特性の差が支出の差にどのような影響を及ぼすかを評価した.未補正の解析により,受給者 1 人あたりの支出の最高五分位群の地域では,最低五分位群の地域と比較して,支出が 52%多かった.人口統計学的な変数と健康状態の変数で補正したあとは,差は 33%に減少した.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 片頭痛に対するトリプタン治療
    Triptan Therapy in Migraine

    23 歳の女性が,片頭痛が鎮痛薬に反応しないため受診した.トリプタン治療が推奨されている.トリプタンはセロトニン作動薬で,当初は脳血管を収縮させて片頭痛を緩和すると考えられていたが,現在は異なる機序も提唱されている.胸痛がもっとも頻度の高い副作用であるが,虚血性心疾患はまれであり,通常は既知の心血管疾患または危険因子に関連している.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • はやまった仮説
    A Rash Hypothesis

    40 歳の女性が下痢で受診した.2 年間軟便が続き,排便は 1 日に 4,5 回であったが,この 6 ヵ月間で悪化し,夜間排便を含め 1 日 15 回の大量の水様便が出ると訴えている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 免疫抑制,HIV,敗血症
    Immunosuppression, HIV, and Sepsis

    ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者において免疫抑制との関連が新たに示唆された経路は,敗血症に伴う免疫抑制にも関連する可能性がある.