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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 30, 2018
Vol. 379 No. 9
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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血友病 A で出血を予防するためのエミシズマブ定期投与
Emicizumab Bleeding Prophylaxis in Hemophilia Aエミシズマブは,活性型第 IX 因子と第 X 因子に結合して橋渡しをすることで,欠乏している第 VIII 因子の機能を再現する.エミシズマブの定期投与試験で,週 1 回または 2 週ごとのエミシズマブ投与により,定期投与を行わない場合と比較して出血率が低下した.
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結核における抗菌薬感受性
Antimicrobial Susceptibility in TB治療前の結核菌分離株において,標準耐性限界値を超えないイソニアジドまたはリファンピンの最小発育阻止濃度の低下を評価したところ,MIC 高値は,MIC 低値と比較して再発のリスクがより高いことに関連した.
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ポリオの世界的根絶に向けた前進
The March to Global Eradication of Poliomyelitis野生株ポリオウイルスの伝播はほぼ止められている.ポリオを根絶するには,ワクチン由来ポリオウイルスの伝播を止めることにも取り組む必要がある.2016 年 4 月に世界で同時に行われた血清型 2 型経口ポリオウイルスワクチン使用中止をふまえて,根絶を達成するための戦略が分析されている.
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進行型多発性硬化症に対する小分子による治療
Small-Molecule Treatment of Progressive MS抗炎症性小分子薬であるイブジラストが,進行型多発性硬化症患者を対象とした第 2 相試験で検討された.96 週間の脳の萎縮率はイブジラストのほうがプラセボよりも低かった.イブジラストの副作用には消化器症状や抑うつなどがあった.
REVIEW ARTICLE
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ランゲルハンス細胞組織球症
Langerhans-Cell Histiocytosisかつては組織球症 X として知られ,現在はランゲルハンス細胞組織球症と呼ばれる疾患のスペクトラムは,ERK 経路の活性化(BRAF V600E 変異を含む)や,骨,皮膚,肺,下垂体などに現れる多様な臨床症状を特徴とする.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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胆汁,免疫,肝細胞癌
Bile, Immunity, and Hepatocellular Carcinoma肝細胞癌のモデルマウスでは,胆汁酸は,肝類洞内皮細胞によるケモカインリガンドの発現に影響を及ぼし,それが,ある種のナチュラルキラー細胞がどの程度存在するかに影響を及ぼし,肝細胞癌の負担を軽減させる.
PERSPECTIVE
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死に直面した Paul から学んだ人生の教訓
Life Lessons from Paul in the Face of Deathユダヤ人教師であった弟の Paul は,広範な遠隔転移を伴う大腸癌の診断を受けた後に,医学によって与えられた時間のなかで,われわれに 3 つの教訓を教えてくれた.それは,前を向いて生きるために過去を振り返ること,自分の務めを果たすこと,目標をもつことである.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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鉄欠乏性貧血における匙状爪
Koilonychia in Iron-Deficiency Anemia54 歳の女性が,疲労,間欠的な痔出血,匙の形をした爪を訴えて受診した.鉄欠乏性貧血と匙状爪と診断された.
ORIGINAL ARTICLE VIDEOS
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血清型 2 型経口ポリオワクチン中止後のポリオウイルス検出
Poliovirus Detection after OPV2 Withdrawalパキスタン,アフガニスタン,ナイジェリアにおける血清型 2 型経口ポリオウイルスワクチン中止後の,非ポリオ急性弛緩性麻痺をきたした小児の便検体と下水検体における 2 型ポリオウイルス検出の時空間的描写を動画で紹介する.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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痙攣発作を起こす男児
A Boy with Seizures3 歳の男児が痙攣発作を起こしたため入院した.発話減少,嗜眠,気分易変性,ふらつき,異常動作がみられた.脳脊髄液分析でリンパ球性髄液細胞増加が認められた.診断と管理における意思決定がなされた.
NEJM QUICK TAKE
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重症血友病 A を治療する
Treating Severe Hemophilia A重症血友病 A の現在の治療では,第 VIII 因子を週 2 回以上補充する必要があり,アドヒアランスに影響を及ぼす大きな治療負担となっている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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ポリオとの終盤戦
The Polio EndgameMark Pallansch が,ポリオ根絶に関わる課題について論じている.