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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
May 23, 2019
Vol. 380 No. 21
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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急性呼吸促迫症候群に対する神経筋遮断
Neuromuscular Blockade for ARDSこの試験では,約 10 年前に行われた,急性呼吸促迫症候群(ARDS)の患者に対して早期に神経筋遮断を行うことで生存に利益があることを示した研究について再検討した.新しい試験では,全生存やその他の転帰に神経筋遮断による利益は認められなかった.
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好酸球比率低値の軽症喘息に対する治療
Therapy for Mild Asthma with a Low Eosinophil Level軽症持続型喘息を有する患者を対象としたこの試験で,喀痰中好酸球比率低値(<2%)の患者では,吸入ステロイド(モメタゾン)とプラセボとのあいだで治療反応に有意差は認めなかった.患者の 3/4 近くでは好酸球低値であった.
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喘息に対する維持療法と吸入ステロイド頓用との比較
Maintenance or As-Needed Inhaled Glucocorticoids for Asthma軽症喘息の患者が,アルブテロール(本邦ではサルブタモール)のみを喘息症状出現時に頓用する群,ブデソニド吸入による維持療法に加えてアルブテロールを頓用する群,ブデソニドとホルモテロールの両剤を含む吸入器を頓用する群に割り付けられた.ブデソニドを含む 2 群のほうが増悪が少なかった.
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新生児に対する経鼻高流量療法
Nasal High-Flow Therapy for Newborn Infants非三次医療施設の特別ケア保育室における新生児の初回呼吸サポートとして,経鼻高流量療法と持続気道陽圧(CPAP)を比較する他施設共同無作為化試験において,経鼻高流量療法は CPAP と比較して非劣性でなく,治療失敗率が有意に高かった.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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咳嗽と好酸球増多を呈した男性
A Man with Cough and Eosinophilia肥大型閉塞性心筋症を有する 53 歳の男性が,3 ヵ月前から続く咳嗽の評価のために受診した.咳嗽は海外の各地を旅行して帰国後すぐに出現した.臨床検査では好酸球の絶対数が 3,800~4,550/mm3 であった.診断のためのさらなる検査が行われた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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尿路機能のコントロール
Control of Urinary Tract Function下部尿路機能の神経調節は複雑であり,十分に解明されていない.前臨床試験において,ラットモデルの神経を光で活性化可能な分子を発現するように操作することで,神経支配の正確な制御が可能であることが示された.この分子が活性化されると,神経発火が制御され,過活動膀胱が修正される.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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瓜実条虫症
Dipylidium caninum Infection2 歳の女児が,肛囲瘙痒があり,便中に虫が排泄されて受診した.
REVIEW ARTICLE
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肝炎の世界的な撲滅
Global Elimination of Hepatitis慢性ウイルス性肝炎は,肝硬変,肝不全,肝細胞癌を引き起こす公衆衛生上の脅威である.予防接種,伝播の抑制,薬物療法が,この疾患の根絶に必要な手段として提供され始めている.
NEJM QUICK TAKE
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急性呼吸促迫症候群の患者の転帰を改善する
Neuromuscular Blockade in ARDS2008 年に発表された研究では,急性呼吸促迫症候群(ARDS)の患者に対し早期に神経筋遮断を行った場合に死亡率の改善が示されたが,このような利益が現在の ICU 診療で認められるかは明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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米国の HIV 流行を終わらせる
Ending the U.S. HIV EpidemicWafaa El-Sadr が,米国にとって意欲的で新しい HIV 目標と,世界の HIV への対応から学ぶべき教訓について論じている.