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April 17, 1997 Vol. 336 No. 16

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卵巣癌における BRCA1 変異の関与
CONTRIBUTION OF BRCA1 MUTATIONS TO OVARIAN CANCER

J.F. STRATTON AND OTHERS

背景

BRCA1 遺伝子の遺伝的変異は,ある家系では乳癌および卵巣癌の高リスクとなる.一般集団における卵巣癌に対する BRCA1 変異の関与を明らかにするため,われわれは,1 施設で診察した一連の卵巣癌女性から得た DNA サンプルを分析した.

方 法

1993 年 7 月~1995 年 9 月のあいだに,Royal Marsden 病院で 70 歳前に上皮卵巣癌と診断され,治療を受けた女性 374 人を調べた.ゲノム DNA を多重ヘテロ二重鎖分析によって分析した.配列決定によって変異をさらに特定した.

結 果

BRCA1 の生殖細胞系列変異である可能性のある変異を女性 374 人中 13 人(3%,95%信頼区間,2~6%)に確認した.これらの変異のうち 6 個は,これまで報告されていないものであった.13 個の変異の中で,12 個では切断された蛋白産物が得られると予測された.別の変異では,亜鉛フィンガー領域と推定される領域のすぐ外側にフレーム内欠失が起っていた.切断変異を有する女性 12 人中 9 人には,乳癌または卵巣癌もしくはその双方の家族歴があった.

結 論

われわれの方法の感度を 70%とすると,BRCA1 変異は,70 歳前に卵巣癌と診断された女性のおよそ 5%(95%信頼区間,3~8%)に起る.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1125 - 30. )