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May 22, 1997 Vol. 336 No. 21

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特発性血小板減少性紫斑病患者における大量免疫グロブリンの静注と脾臓摘出術に対する反応
High-Dose Intravenous Immune Globulin and the Response to Splenectomy in Patients with Idiopathic Thrombocytopenic Purpura

C. LAW, M. MARCACCIO, P. TAM, N. HEDDLE, AND J.G. KELTON

背景

大量免疫グロブリンの静注は,特発性血小板減少性紫斑病患者の血小板数を一過性に上昇させる.脾臓摘出術も有効と思われるが,患者が良い反応を示すか否かを予測することは不可能である.われわれは,脾臓摘出術に対する反応が免疫グロブリンの静注に対する反応によって予測されるという仮説を立てた.

方 法

最初に免疫グロブリンで治療し,その後脾臓摘出術を受けた特発性血小板減少性紫斑病患者 30 人をレトロスペクティブに調べた.二つの治療に対する反応を,血小板数に基づいて不良(<50,000/mm3),良好(50,000~150,000/mm3),優良(>150,000/mm3)に分類した.

結 果

免疫グロブリンの静注に対する反応が不良であった患者 9 人全員が,脾臓摘出術に対する 1 年目での反応が不良であった.免疫グロブリン静注に対する反応が良好または優良であった患者 21 人中 19 人は,脾臓摘出術に対しても良好または優れた反応を示した.

結 論

免疫グロブリン静注に対する反応が良好または優れている特発性血小板減少性紫斑病患者は,脾臓摘出術に対しても良好または優れた反応を示す可能性があるが,免疫グロブリンの静注に対する反応が不良な患者では,脾臓摘出術に対する反応が良好または優れているという可能性は少ない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1494 - 8. )