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June 12, 1997 Vol. 336 No. 24

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症候性 HIV 感染児に対する初回治療としてのジドブジン,ジダノシン,またはその併用
ZIDOVUDINE, DIDANOSINE, OR BOTH AS THE INITIAL TREATMENT FOR SYMPTOMATIC HIV-INFECTED CHILDREN

J.A. ENGLUND AND OTHERS

背景

ジドブジンは,症候性 HIV 感染児に対する初回治療薬の選択肢である.本臨床試験は,ジドブジン単独治療の有効性および安全性を,ジダノシン単独またはジドブジンとジダノシンの併用療法と比較するようデザインされた.

方 法

多施設共同二重盲検試験で,生後 3 ヵ月~18 歳の症候性 HIV 感染児を,年齢(<30 ヵ月または≧30 ヵ月)で層別化し,ジドブジン単独投与,ジダノシン単独投与,ジドブジン+ジダノシン併用投与のいずれかに無作為に割り付けた.主要エンドポイントは死亡または HIV 疾患の進行までの期間とした.

結 果

評価しえた患児 831 例中,92%に抗レトロウイルス療法歴はなく,90%が周産期に HIV に感染していた.中間解析(追跡期間の中央値,23 ヵ月)の結果,ジドブジン単独投与を受けた患児では,併用療法を受けた患児よりも,HIV 疾患の進行または死亡のリスクが有意に高かった(相対リスク,0.61;95%信頼区間,0.42~0.88;p=0.007).ジドブジン単独による試験群を中止して,盲検を解除した;ほかの 2 群は治療を継続した.試験終了時(追跡期間の中央値,32 ヵ月),ジダノシン単独の有効性は,ジドブジン+ジダノシン併用と同程度であった(疾患の進行または死亡の相対リスク,0.98;95%信頼区間,0.70~1.37;p=0.91).ジダノシン単独投与を受けた患児は,貧血または好中球減少のリスクが有意に低かった(p=0.036).

結 論

症候性 HIV 感染児では,ジダノシン単独による治療,またはジドブジンとジダノシンの併用による治療は,ジドブジン単独による治療よりも有効であった.ジダノシン単独は,併用療法と比較して有効性は同程度であり,血液学的毒性は少なかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1704 - 12. )