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February 6, 1997 Vol. 336 No. 6

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2 回目の静脈血栓塞栓症発症後の経口抗凝固療法の期間
THE DURATION OF ORAL ANTICOAGULANT THERAPY AFTER A SECOND EPISODE OF VENOUS THROMBOEMBOLISM

S. SCHULMAN AND OTHERS

背景

2 回目の静脈血栓塞栓症発症後の経口抗凝固療法の最適投与期間に関するコンセンサスは,これまでのところ得られていない.

方 法

多施設共同臨床試験において,静脈血栓塞栓症を 2 回発症したことがある患者に対し,経口抗凝固療法を 6 ヵ月行った場合と無期限に継続した場合を比較した.登録患者 227 人中,111 人を 6 ヵ月間の抗凝固療法に,116 人を無期限の抗凝固療法に無作為割付けした;両群ともに,目標国際標準比(INR)は 2.0~2.85 であった.深部静脈血栓症の初回エピソード(n = 193),肺動脈塞栓症の初回エピソード(n = 34)は,再発エピソードとともに,すべて客観的に確認した.

結 果

4 年間の追跡後,診断基準を満たした静脈血栓塞栓症の再発は 26 例あり,23 例は 6 ヵ月治療群(再発率 20.7%),3 例は継続療法群(2.6%)であった.無期限治療群と比較した 6 ヵ月治療群の再発の相対リスクは,8.0(95%信頼区間,2.5~25.9)であった.大出血は 13 例認められ,内訳は 6 ヵ月治療群で 3 例(2.7%),無期限治療群で 10 例(8.6%)であった.無期限治療群と比較した 6 ヵ月治療群の大出血の相対リスクは,0.3(95%信頼区間,0.1~1.1)であった.2 群の死亡率に差は認められなかった.

結 論

2 回目の静脈血栓塞栓症発症後に予防的経口抗凝固療法を無期限に継続すれば,4 年の追跡期間では 6 ヵ月治療より再発率がはるかに低くなった.しかし,抗凝固療法を無期限に継続した場合には,大出血のリスクがより高くなる傾向があった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 393 - 8. )