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February 20, 1997 Vol. 336 No. 8

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米国とオンタリオ州の精神科外来患者サービスの利用の相違
DIFFERENCES IN THE USE OF PSYCHIATRIC OUTPATIENT SERVICES BETWEEN THE UNITED STATES AND ONTARIO

R.C. KESSLER AND OTHERS

背景

健康保険と精神健康サービスの利用との関係は明確でない.われわれは,『精神疾患の診断・統計マニュアル(第 3 版,改訂版)』(DSM-III-R)に記載の疾患の自己報告およびその他の必要な指標に従って,米国とカナダのオンタリオ州の若年および中年層における精神疾患外来患者サービスの利用を比較した.

方 法

15~54 歳の人によるサービスの必要性とその利用に関する疑問について同一の評価を用いて,1990 年に米国とオンタリオ州において別々に実施され二つの一般集団調査を分析した.

結 果

米国では,精神疾患,精神的に健康を害している,または前年に精神疾患のために職を失った,あるいは労働時間が短縮されたと報告した回答者がオンタリオ州での回答者より有意に多かった.先の 12 ヵ月間に精神疾患のために外来治療を受けた回答者の割合は,米国(13.3%)ではオンタリオ州(8.0%)より有意に高かった.しかし,サブグループ分析により,米国では,重症度の低い精神疾患の人に限ってサービスを利用する確率がより高いことが判明した.同じ期間で同数の精神疾患を有する患者の平均受診数は,2 国間で有意差はなかった.オンタリオ州では米国より,サービスの利用度とわれわれがみて必要と認める度合いが強くマッチした.

結 論

米国における精神ヘルスケアシステムは,オンタリオ州より多くの人に治療を提供しているが,必要な度合いと治療とのあいだのマッチは米国ではオンタリオ州ほど強くない.米国では,精神疾患の保険適用範囲を拡大するいかなる計画もこの問題に取り組まなければならない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 551 - 7. )