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March 13, 1997 Vol. 336 No. 11

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経皮冠動脈血管再生術成功後の長期転帰に及ぼす喫煙状態の影響
EFFECT OF SMOKING STATUS ON THE LONG-TERM OUTCOME AFTER SUCCESSFUL PERCUTANEOUS CORONARY REVASCULARIZATION

D. HASDAI, K.N. GARRATT, D.E. GRILL, A. LERMAN, AND D.R. HOLMES, JR.

背景

たばこの喫煙は,冠動脈疾患患者にとって有害であることが知られているが,経皮冠動脈血管再生術の臨床転帰に及ぼす喫煙の影響はわかっていない.

方 法

1979~1995 年のあいだにメイヨ・クリニックで経皮冠動脈血管再生術を受けて成功した患者を,非喫煙者(2,009 人),喫煙経験者(手術前に禁煙した患者,2,259 人),禁煙者(手術後禁煙した患者,435 人),そして持続的喫煙者(手術の前後も喫煙している患者,734 人)にグループ分けした.

結 果

最大追跡期間は 16 年(平均 [±SD],4.5±3.4 年)であった.非喫煙者および喫煙経験者の患者背景の特徴と転帰は同様であった.禁煙者と持続的喫煙者は,非喫煙者や喫煙経験者より若く,臨床特徴および血管造影特徴が良好であった.混同する患者背景特徴に関して補正すると,持続的喫煙者は非喫煙者より,死亡の相対危険度(1.76 [95%信頼区間,1.37~2.26]),Q 波心筋梗塞の相対危険度(2.08 [95%信頼区間,1.16~3.72])が高かった.禁煙者および持続的喫煙者では,非喫煙者より,追加の経皮冠動脈手術(相対危険度はそれぞれ,0.80 [95%信頼区間,0.64~0.98] および 0.67 [95%信頼区間,0.56~0.81]),または冠動脈バイパス手術(相対危険度はそれぞれ,0.72 [95%信頼区間,0.54~0.95] および 0.68 [95%信頼区間,0.54~0.86])を実施する可能性が低かった.持続的喫煙者はまた,禁煙者より死亡リスクが大きかった(相対危険度,1.44 [95%信頼区間,1.02~2.11]).

結 論

経皮冠動脈血管再生術の成功後も喫煙を続けている患者は,Q 波心筋梗塞および死亡リスクが非喫煙者より大であった.経皮冠動脈血管再生術の前後いずれかに禁煙することは有益であった.経皮冠動脈血管再生術を受ける患者には,禁煙するよう働きかけるべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 755 - 61. )