October 9, 1997 Vol. 337 No. 15
青少年のたばこの入手と喫煙行動に関するたばこ販売法強制の効果
THE EFFECT OF ENFORCING TOBACCO-SALES LAWS ON ADOLESCENTS' ACCESS TO TOBACCO AND SMOKING BEHAVIOR
N.A. RIGOTTI AND OTHERS
未成年者へのたばこ販売を禁止する法律の施行は,若年者のたばこの入手と使用を減少させる方法として広く提唱されている.このアプローチが成功するか否かは不明である.
2 年間の対照試験で,マサチューセッツ州の六つのコミュニティにおける,未成年者に対するたばこの販売と,若年者のたばこの入手と使用を評価した.三つのコミュニティ(介入群)ではたばこ販売法を実施したが,マッチする三つのコミュニティ(対照群)では実施しなかった.法の遵守を評価するため,試験者に協力する未成年者は,各コミュニティにあるすべての小売店で,6 ヵ月ごとにたばこを購入する試みを行った.年 1 回の匿名調査を 3 回を行い,9~12 年生 22,021 人 (回答率 84%)のたばこ入手と喫煙行動を測定した.
ベースラインでは,小売店 487 店の 68%が未成年者にたばこを販売していた.法の遵守は,介入コミュニティでは対照コミュニティより有意に早く改善した(p<0.001).試験終了までに,介入コミュニティでは販売業者の 82%が法に従ったのに対し,対照コミュニティでは 45%であった(p<0.001).しかし,18 歳未満の未成年者は,たばこを購入できる可能性がわずかに減少したにすぎず,使用の減少はなかったと報告した.法が実施されたコミュニティと実施されなかったコミュニティとで,これらの転帰に関して差はなかった.
たばこ販売法の実施により,販売業者の法遵守は改善し,未成年者への違法販売は減少したが,若年者による,違法であることを認識したうえでのたばこの購入や,喫煙行動は変わらなかった.たばこの試験的購入は,若年者の自己申告によるたばこ入手を正確に反映しておらず,違法販売を 20%未満へ減少させるという新しい連邦法の目標は,若年者のたばこの入手や使用を減少させない可能性がある.