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October 30, 1997 Vol. 337 No. 18

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早期非ホジキンリンパ腫の小児および若年成人の治療
TREATMENT OF CHILDREN AND YOUNG ADULTS WITH EARLY-STAGE NON-HODGKIN'S LYMPHOMA

M.P. LINK, J.J. SHUSTER, S.S. DONALDSON, C.W. BERARD, AND S.B. MURPHY

背景

早期非ホジキンリンパ腫の小児および若年成人の予後は優れているが,治療は長期に及び,副作用も多い.われわれは二つの試験を実施して,治療を簡略化できるか否かを明らかにした.

方 法

1983~91 年に,早期非ホジキンリンパ腫の小児および若年成人(年齢,<21 歳)を対象に二つの一連の試験を実施した.最初の試験では,ビンクリスチン,ドキソルビシン,シクロホスファミド,プレドニゾンから成る導入化学療法で患者を 9 週間治療し,その後メルカプトプリンとメトトレキサートによる継続化学療法を 24 週間行った.患者の半数を,病変部位の放射線照射に無作為に割り付けた.2 番目の試験では,9 週間の導入化学療法後,患者を継続化学療法を 24 週間行う群と,それ以上の治療を行わない群に無作為に割り付けた.

結 果

340 例が二つの試験に組み入れられ,そのうち 12 例が完全寛解を示さなかった.113 例が 9 週間の化学療法を受け,放射線療法を受けず,131 例が 8 ヵ月の化学療法を受け,放射線療法を受けず,67 例が 8 ヵ月の化学療法と,放射線療法を受けた.5 年の時点で,持続的完全寛解の予測率は 3 群でそれぞれ,89%,86%,88%であった.5 年の時点で,早期リンパ芽球性リンパ腫患者の無イベント生存率は,他のサブタイプのリンパ腫患者より劣った(63% 対 88%,p<0.001).継続療法は,リンパ芽球性リンパ腫患者に限り有効であった.

結 論

原発病変部位への放射線照射を行わない 9 週間の化学療法は,早期非リンパ芽球性非ホジキンリンパ腫の小児および若年成人の大部分に適切な治療法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1259 - 66. )