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July 17, 1997 Vol. 337 No. 3

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遺伝子組換え型ヒト腫瘍壊死因子受容体 (p75)–Fc 融合蛋白によるリウマチ性関節炎の治療
TREATMENT OF RHEUMATOID ARTHRITIS WITH A RECOMBINANT HUMAN TUMOR NECROSIS FACTOR RECEPTOR (p75)–Fc FUSION PROTEIN

L.W. MORELAND AND OTHERS

背景

腫瘍壊死因子(TNF)は,リウマチ性関節炎の発病に関与する炎症促進性サイトカインであるため,TNF の拮抗により,疾患の活動性が低下する可能性がある.本試験は,ヒト IgG1 の Fc 部分と結合した可溶性 TNF 受容体(p75)(TNFR:Fc)から成る遺伝子組換え型融合蛋白である新規 TNF 阻害薬の安全性および有効性を評価した.

方 法

この多施設二重盲検臨床試験では,難治性リウマチ性関節炎患者 180 人を無作為割付けし,プラセボまたは TNFR:Fc の 3 用量の一つ(0.25 mg/m2,2 mg/m2,16 mg/m2 体表面積)を週 2 回,3 ヵ月間皮下注射した.米国リウマチ学会の基準にしたがって定義した関節炎の複合症状の変化によって,臨床効果を測定した.

結 果

TNFR:Fc による治療により疾患の活動度は有意に低下し,TNFR:Fc の治療効果は用量依存的であった.3 ヵ月目,症状の 20%以上が改善したのは,TNFR:Fc の 16 mg/m2 群の患者では 75%であったのに対し,プラセボ群では 14%であった(p<0.001).16 mg/m2 群では,3 ヵ月での圧痛関節数・腫脹関節数の平均減少率は 61%で,これに対し,プラセボ群では 25%であった(p<0.001).もっとも一般的な副作用は,軽度の注射部位反応と軽度の上気道症状であった.用量制限毒性は認められず,血清サンプル中に TNFR:Fc に対する抗体は検出されなかった.

結 論

この 3 ヵ月間の臨床試験において,TNFR:Fc は安全で,忍容性が良好であり,リウマチ性関節炎の炎症症状の改善に関連した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 141 - 7. )