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November 27, 1997 Vol. 337 No. 22

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妊娠糖尿病の選択的スクリーニング
SELECTIVE SCREENING FOR GESTATIONAL DIABETES MELLITUS

C.D. NAYLOR, M. SERMER, E. CHEN, AND D. FARINE

背景

妊娠糖尿病を発見する通常のアプローチは,妊娠 24~28 週で,グルコース 50 g の経口負荷後の血漿中グルコースの測定によってすべての妊娠女性をスクリーニングすることである.1 時間後のグルコース血漿濃度が≧140 mg/dL(7.8 mmol/L)であれば,患者を経口ブドウ糖負荷試験に付託した.われわれは,臨床特徴に基づいて妊娠糖尿病女性のリスクを考慮すれば,スクリーニングの有効性を強められるという仮説を立てた.

方 法

スクリーニングと診断のための検査の両方を受けた妊娠女性 3,131 人を検討した.半数の女性のデータを無作為に選択し,それらを用いて新規スクリーニング戦略を導出した.各女性の妊娠糖尿病のリスクを,年齢,妊娠前の body-mass index,人種に基づいて分類した.低リスクの女性にはスクリーニングなし,中間リスクの女性には通常ケア,高リスクの女性にはより低い閾値,すなわち血漿グルコースが 130 mg/dL(7.2 mmol/L)または 128 mg/dL(7.1 mmol/L)を用いて全例にスクリーニングを行う,という戦略を開発した.残り半数の女性のデータでこの戦略の妥当性を検証した.

結 果

新しい戦略により,スクリーニング検査の実施件数は 34.6%(95%信頼区間,32.3~37.0%)減少し,妊娠糖尿病女性の 81.2~82.6%が発見されたのに対し,通常ケアによって発見されたのは 78.3%であった.スクリーニング検査偽陽性の割合は,通常ケアの 17.9%から,新しい戦略では高リスク女性の閾値に応じて 16.0%(p=0.02)または 15.4%(p<0.001)に減少した.

結 論

女性の臨床特徴を考慮すれば,妊娠糖尿病の有効な選択的スクリーニングが可能となる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1591 - 6. )