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December 18, 1997 Vol. 337 No. 25

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心臓手術後の心房細動の予防としてのアミオダロン術前投与
PREOPERATIVE AMIODARONE AS PROPHYLAXIS AGAINST ATRIAL FIBRILLATION AFTER HEART SURGERY

E.G. DAOUD AND OTHERS

背景

心房細動は,開胸式心臓手術後に一般に起り,このために退院が遅れることがある.本試験の目的は,心臓手術後の心房細動に対する予防としてのアミオダロンの術前投与を評価することであった.

方 法

この二重盲検無作為試験において,患者 124 人に対し,アミオダロン(患者 64 人)またはプラセボ(60 人)のいずれかを,待機的心臓手術前に 7 日以上経口投与した.この治療では,アミオダロン 600 mg/日を 7 日間投与し,その後退院まで毎日 200 mg を投与した.アミオダロンの平均(±SD)術前総投与量は,13±7 日間で 4.8±0.96 g であった.

結 果

術後の心房細動は,アミオダロン群では患者 64 人中 16 人(25%)に起り,プラセボ群では 60 人中 32 人(53%)に起った(p=0.003).アミオダロン群の患者は,プラセボ群の患者より有意に入院日数が短かった(6.5±2.6 対 7.9±4.3 日,p=004).非致命的術後合併症は,アミオダロン投与患者では 8 人(12%)に,プラセボ群では 6 人(10%,p=0.78)に起った.致命的術後合併症は,アミオダロン投与患者では 3 人(5%)に,プラセボ群では 2 人(3%,p=1.00)に起った.総入院費用はアミオダロン群ではプラセボ群より有意に少なかった(18,375±13,863 ドル 対 26,491±23,837 ドル,p=0.03).

結 論

複雑な心臓手術を受ける患者に対するアミオダロンの術前経口投与は,耐用性が良好で,術後の心房細動発生率,入院日数および費用を有意に減少させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1785 - 91. )