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May 6, 1999 Vol. 340 No. 18

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子宮頸癌の病歴をもつ女性の腟変化と性生活
Vaginal Changes and Sexuality in Women with a History of Cervical Cancer

K. BERGMARK, E. ÅVALL-LUNDQVIST, P.W. DICKMAN, L. HENNINGSOHN, AND G. STEINECK

背景

子宮頸癌の女性では,その治療によって腟の解剖学的構造と機能に変化が生じる.これらの変化の性機能に対する影響と,女性の苦悩の有無と程度についてはわかっていない.

方 法

1996 年と 1997 年に,われわれは,腟の変化と性機能についての匿名の質問票への回答を依頼するために,スウェーデンの七つの施設の婦人科領域の腫瘍診療科で 1991 年および 1992 年に治療を受けた早期子宮頸癌の病歴をもつ 332 例の女性(年齢範囲,26~80 歳)と,癌の病歴のない 489 例の女性(対照)に接触を試みた.

結 果

回答し終った調査票は,子宮頸癌の病歴をもつ女性の 256 例と対照女性の 350 例から回収された.通常の腟性交を行っていると回答したのは,全体では,癌の病歴をもつ 247 例の女性のうちの 167 例(68%)と,330 例の対照女性のうちの 236 例(72%)であった.性交に必要な腟の潤滑が不十分であると回答したのは,癌の病歴をもつ女性の 26%と対照女性の 11%,腟が短縮したと回答したのは,癌の病歴をもつ女性の 26%と対照女性の 3%,そして,腟の弾性が不十分であると回答したのは,癌の病歴をもつ女性の 23%と対照女性の 4%であった.腟の変化による中等度以上の苦悩を報告したのは,対照群の女性では 8%であったのに対して,癌の病歴をもつ女性では 26%であった.性交疼痛症も,子宮頸癌の病歴をもつ女性には,より一般的に起こるものであった.オルガスムの頻度とオルガスムの満足感については,2 群で同程度であった.子宮頸癌の病歴をもつ女性が受けた治療の種類については,特異的な腟変化の保有率に対して,もし何らかの影響があったとしても,その影響はささいなものであった.

結 論

子宮頸癌の治療を受けた女性には,性的活動を危うくし,それがかなりの苦悩になっている恒常的な腟変化が認められる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1383 - 9. )