The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 10, 1999 Vol. 340 No. 23

胞胚着床の時期と流産
Time of Implantation of the Conceptus and Loss of Pregnancy

A.J. WILCOX, D.D. BAIRD, AND C.R. WEINBERG

背景

胞胚の着床は妊娠の重要な過程の一つであるが,着床時期や,着床時期と妊娠の転帰との関連についてはほとんど解明されていない.

方 法

妊娠を希望していた 221 例の女性を対象として,その尿検体を,避妊を中止してから最長で 6 ヵ月間にわたって連日採取した.排卵の確認は,尿中のプロゲステロン代謝物に対するエストロゲン代謝物の比に基づいて行ったが,この比は,卵胞の黄体形成に伴って急速に変化する.着床の時期は,母親の尿中への絨毛性ゴナドトロピン(CG)の出現によって決定した.

結 果

199 件の妊娠が確認され,その 95%(189 件)において解析に十分なデータが得られた.これらの 189 件の妊娠のうち,141 件(75%)は,最終月経から 6 週間以上妊娠が継続し,残りの 48 件(25%)は妊娠初期に流産してしまった.6 週間以上継続した妊娠では,絨毛性ゴナドトロピンが出現し始めたのは排卵後 6 ~ 12 日目であった; これらの女性の 118 例(84%)は,着床が排卵後 8 日目,9 日目,10 日目であった.妊娠初期の流産のリスクは,着床が遅くなるにつれて上昇した(p < 0.001).9 日目までに着床した 102 個の胞胚については,その 13%が初期流産に終わった.この妊娠初期の流産の割合は,着床が排卵後 10 日目になると 26%に,11 日目になると 52% に,そして 12 日目以降になると 82%に増加した.

結 論

ヒトの妊娠成立例のほとんどは,排卵後 8 ~ 10 日目までに胞胚の着床が起っている.妊娠初期の流産のリスクは,着床が遅くなるにつれて上昇する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1796 - 9. )