The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 28, 1999 Vol. 340 No. 4

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

心臓移植後の運動リハビリテーションに関する比較試験
A CONTROLLED TRIAL OF EXERCISE REHABILITATION AFTER HEART TRANSPLANTATION

J.A. KOBASHIGAWA AND OTHERS

背景

心臓移植を受けた患者では,除神経状態で提供された心臓は運動に異常反応し,運動耐容能が低下している.心臓移植を受けた患者の治療における機能訓練の役割はいまだ確証されていない.そこで,われわれは,心臓移植後早期の運動能に対するトレーニングの効果を評価した.

方 法

心臓移植を受けて 2 週間以内に退院した 27 例の患者を,6 ヵ月間の体系化された心臓リハビリテーションプログラムに参加する群(運動群,14 例),または自宅での体系化されていない治療を実施する群(対照群,13 例)に無作為に割り付けた.運動群の患者は,理学療法士の指導下で個別に作成された筋肉ストレッチと有酸素トレーニングのプログラムを実行した.その一方で,対照群の患者は正規の運動トレーニングは何も受けなかった.試験開始時(心臓移植後 1 ヵ月以内)とその 6 ヵ月後に,心肺運動負荷試験を実施した.

結 果

対照群と比較して,運動群では,最大酸素消費量(1 分間当りの体重 1 kg 当りの平均増加量,4.4 mL [49%] 対 1.9 mL [18%];p=0.01)と最大運動量(平均増加量,35 W [59%] 対 12 W [18%];p=0.01)が有意に増加し,二酸化炭素の換気当量(平均低下量,13 [20%] 対 6 [11%];p=0.02)の低下が大きかった.プレドニゾンの平均投与量,降圧剤の投与患者数,試験期間中の拒絶反応および感染症の平均発現件数,および体重増加には,2 群間に有意な差はなかった.

結 論

運動トレーニングは,心臓移植後早期に開始すると,身体運動能力を増加させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 278 - 7. )