The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 25, 1999 Vol. 341 No. 22

浸潤子宮頸癌発症前における ヒトパピローマウイルス DNA の型特異な存続
Type-Specific Persistence of Human Papillomavirus DNA before the Development of Invasive Cervical Cancer

K.-L. WALLIN AND OTHERS

背景

ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染は,子宮頸癌の原因の一つであることが判明しているが,HPV-DNA の陽性検査結果と浸潤子宮頸癌の続発との関連は解明されていない.

方 法

スウェーデンで 1969 ~ 95 年に実施された人口ベースの子宮頸癌のスクリーニングプログラムに参加した女性を対象とする今回の研究では,子宮頸部のスミア(Pap スミア)が正常であったにもかかわらず,平均で5.6 年(範囲,0.5 ヵ月~ 26.2 年)後に浸潤子宮頸癌を発症した 118 例の女性における HPV-DNA の陽性率を,同程度の長さの追跡調査期間を健康なまま過ごした 118 例の女性(対照)における,スミアの HPV-DNA 陽性率と比較した.これらの対照女性は,癌女性と年齢をマッチさせた女性で,癌女性で行われた研究開始時点のスミア検査および癌の確定診断がくだされた生検と同時期に検査された二つの正常な Pap スミアが残されていた.

結 果

研究開始時は,癌女性の 35 例(30%)と対照女性の 3 例(3%)が HPV-DNA陽性であった(オッズ比,16.4; 95%信頼区間,4.4 ~ 75.1).診断時には,組織標本を入手できた癌女性 104 例のうちの 80 例(77%)と,これらの女性とマッチさせた対照女性 104 例のうちの 4 例(4%)が,HPV-DNA 陽性であった.HPV-DNA の遺伝子型は,研究開始時に HPV-DNA が検出された癌女性では,その全例で,研究開始時のスミアと診断時の生検検体の遺伝子型が同じであった.対照女性には,二つのスミアの HPV 遺伝子型が同じであった女性はいなかった.

結 論

Pap スミアを用いた HPV-DNA 検査で 1 回でも陽性結果が得られれば,それと同じ遺伝子型のウイルスが検出される浸潤子宮頸癌が,将来,発症するというリスクが上昇している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1633 - 8. )