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November 25, 1999 Vol. 341 No. 22

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母親の血清パラキサンチン(カフェインの代謝産物)と自然流産のリスク
Maternal Serum Paraxanthine, a Caffeine Metabolite, and the Risk of Spontaneous Abortion

M.A. KLEBANOFF AND OTHERS

背景

妊娠中にカフェインを摂取すると,自然流産のリスクが上昇するのかどうかということについては,多くの意見がある.先行研究では,カフェインの摂取量を,質問票を用いて調査している.われわれは,カフェインの代謝産物の一つであるパラキサンチンの血清濃度を生体マーカーとして用いて,カフェインの摂取量を測定した.

方 法

コホート内症例対照研究を実施し,妊娠 140 日未満に自然流産した 591 例の女性と,これらの女性とマッチした女性で,同じ診療所に通って妊娠 28 週以降に生産児を出産した 2,558 例の女性の血清パラキサンチン濃度を測定した.また,これらの女性は,血清の採取も流産した女性と同じ妊娠日数日に行われていた女性であった.本研究の女性は,周産期共同プロジェクト(the Collaborative Perinatal Project)に 1959~66 年のあいだに組み入れられた女性で,血清パラキサンチンの測定は 30 年以上のあとに行われた.

結 果

血清パラキサンチンは,自然流産した女性 487 例(82%)と対照女性の 2,087 例(82%)において定量可能な濃度であった.しかしながら,血清パラキサンチンの平均濃度は,自然流産した女性のほうが対照女性よりも高値であった(752 ng/mL 対 583 ng/mL,p<0.001).自然流産のオッズ比は,血清パラキサンチン濃度が 1,845 ng/mL 以下であった女性では,有意な上昇は認められなかった.なお,この濃度は,マッチした女性の 95 パーセント点に相当する値であった.しかしながら,血清パラキサンチン濃度が 1,845 ng/mL よりも高値であった女性の自然流産の補正オッズ比は,50 ng/mL 未満の濃度であった女性と比較したときには,1.9(95%信頼区間,1.2~2.8)であった.

結 論

血清パラキサンチン濃度の極端な高値のみが,自然流産と関連する.このことは,中等度のカフェイン摂取によって自然流産のリスクが上昇するということは考えにくいことを示している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1639 - 44. )