The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 9, 1999 Vol. 341 No. 24

血管手術を受ける高リスク 患者における周術期の死亡および心筋梗塞に対するビソプロロールの効果
The Effect of Bisoprolol on Perioperative Mortality and Myocardial Infarction in High-Risk Patients Undergoing Vascular Surgery

D. POLDERMANS AND OTHERS

背景

心血管系の合併症は,血管の大手術を受ける患者における周術期の障害および死亡のもっとも重要な原因である.

方 法

血管の大手術後 30 日目までの心原性死亡および非致死的な心筋梗塞の発生率に対する,βアドレナリン作動性受容体を周術期に遮断することの評価を目的として,イベントのリスクが高い患者を対象とした多施設共同の無作為比較試験を実施した.高リスク患者の同定は,臨床的危険因子とドブタミン負荷心エコー図の異常所見の両方を用いて行った.こうして得られた適格患者を,標準的な周術期ケア,または標準的な周術期ケア+ビソプロロールによるβ遮断に無作為に割り付けた.

結 果

合計で 1,351 例の患者をスクリーニングし,846 例が心臓の危険因子を一つ以上有していることが確認された.この 846 例の患者のうち,ドブタミン負荷心エコー図に異常所見が認められたのは 173 例であった.このうちの 59 例がビソプロロール投与群に,53 例が標準的ケア群に無作為に割り付けられた.53 例の患者はすでにβ遮断薬の投与を受けていたために,また,8 例は安静時または負荷時の検査で心臓壁運動に顕著な異常が認められたために,無作為化から除外した.死亡した患者は,ビソプロロール群では心原性による死亡の 2 例(3.4%)であったのに対して,標準的ケア群では 9 例であった(17%,p = 0.02).また,非致死的な心筋梗塞は,標準的ケアのみの患者では 9 例(17%)に発生したのに対して,ビソプロロール+標準的ケアの患者ではまったく発生しなかった(p < 0.001).したがって,本試験の主要エンドポイントであった心原性の死亡または非致死的な心筋梗塞は,ビソプロロール群では 2 例(3.4%)の患者に,標準的ケア群では 18 例(34%,p < 0.001)の患者に発生した.

結 論

ビソプロロールは,血管の大手術を行う高リスク患者において,周術期の心原性の死亡および非致死的な心筋梗塞の発生率を減少させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1789 - 94. )