The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

Share

RSS

日本語アブストラクト

May 25, 2000 Vol. 342 No. 21

化学療法によって誘発される遅発性の悪心・嘔吐の予防におけるデキサメタゾン単剤またはオンダンセトロンとの併用
Dexamethasone Alone or in Combination with Ondansetron for the Prevention of Delayed Nausea and Vomiting Induced by Chemotherapy

THE ITALIAN GROUP FOR ANTIEMETIC RESEARCH

背景

 中等度の催吐作用がある癌の化学療法によって誘発される遅発性の悪心・嘔吐の予防については,体系的には検討されていない.

方 法

 今回の多施設共同の二重盲検無作為試験には,はじめて化学療法を受ける予定になっていた患者を組み入れた.まず,これらのすべての患者に対して,化学療法開始後 24 時間以内に発現する恐れのある嘔吐(急性嘔吐)に対する予防として,デキサメタゾンとの併用によってオンダンセトロンを投与した.この投与後に,患者を次の 2 群に分類した: 嘔吐も中等症から重症の悪心も発現しなかった患者(低リスク群)と,嘔吐または中等症から重症の悪心のいずれか一方,あるいはその両方が発現した患者(高リスク群).このように患者を分類してから,低リスク群の患者については,化学療法開始後 2 日 ~ 5 日目まで投与する以下のレジメンの一つに無作為に割り付けた: プラセボの経口投与,デキサメタゾンの 4 mg の 1 日 2 回経口投与,または,デキサメタゾンの 4 mg との併用によるオンダンセトロンの 8 mg の 1 日 2 回経口投与.一方の高リスク群の患者については,低リスク群と同じ用量のデキサメタゾンの経口投与単剤またはオンダンセトロンとの併用に無作為に割り付けた.

結 果

 低リスク群の 618 例の患者では,遅発性の嘔吐および中等症から重症の悪心のどちらもまったく発現しなかったのは,デキサメタゾンとオンダンセトロンの併用投与を受けた患者の 91.8%,デキサメタゾン単剤の投与を受けた患者の 87.4%,プラセボの投与を受けた患者の 76.8%であった.オンダンセトロンとデキサメタゾンの併用,あるいはデキサメタゾン単剤によって防護された患者の割合は,プラセボによって防護された患者の割合よりも有意に大きかった(それぞれ,p < 0.001 および p < 0.02).高リスク群の 87 例の患者については,完全に防護された患者は,オンダンセトロンとデキサメタゾンの治療を受けた患者の 40.9%,デキサメタゾン単剤の治療を受けた患者の 23.3%であった(p 値は有意水準に達していなかった).

結 論

 中等度の催吐作用がある化学療法を受ける患者において遅発性の悪心・嘔吐を予防する最善の方法は,化学療法開始後 24 時間までに,これらの合併症を管理することである.そして,低リスクの患者(急性嘔吐が発現しなかった患者)では,デキサメタゾンの単剤投与だけでも遅発性の嘔吐に対する十分な予防となる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 1554 - 9. )