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February 24, 2000 Vol. 342 No. 8

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無症候性細菌性腟症の妊娠女性における早産予防のためのメトロニダゾール
Metronidazole to Prevent Preterm Delivery in Pregnant Women with Asymptomatic Bacterial Vaginosis

J.C. CAREY AND OTHERS

背景

細菌性腟症は早産との関連が認められている.また,臨床試験では,早産歴のある妊娠女性に対して細菌性腟症の治療を行うと,早産を繰り返すリスクが低下することが認められている.

方 法

無症候性細菌性腟症(膣のグラム染色と pH に基づいて診断)に罹患している一般的な産科受診女性集団に対する治療が,早産を予防するか否かということを調べるために,妊娠 16 週から 24 週未満の 1,953 例の女性を,メトロニダゾールの 2 g またはプラセボの 2 回投与に無作為に割り付けた.診断のための検査を再実施し,妊娠 24 週から 30 週未満のときに,すべての女性に,2 回目の治療を実施した.主要転帰は 37週目以前の出産の割合とした.

結 果

細菌性腟症は,追跡検査のグラム染色が行われたメトロニダゾール群 845 例のうち 657 例(77.8%),およびプラセボ群 859 例のうち 321 例(37.4%)で治癒が確認された.分娩の時期および患者背景に関するデータは,メトロニダゾール群 953 例とプラセボ群 966 例から入手することができた.早産となったのは,メトロニダゾール群の 116 例(12.2%)と,プラセボ群の 121 例の女性(12.5%)であった(相対危険度,1.0;95%信頼区間,0.8~1.2).メトロニダゾールの治療では,自然分娩による早産(メトロニダゾール群が 5.1% 対 プラセボ群が 5.7%)または自然破水による早産(4.2% 対 3.7%)を予防することができず,妊娠 32 週目以前の出産(2.3% 対 2.7%)も予防することができなかった.また,メトロニダゾールの治療によって,早産,羊膜腔内感染症や産後感染症,新生児の敗血症,あるいは新生児の集中治療室への収容の頻度は減少しなかった.

結 論

無症候性の細菌性腟症の妊娠女性に,その治療を行っても早産や他の周産期の有害転帰は減少しない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 534 - 40. )