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日本語アブストラクト

March 23, 2000 Vol. 342 No. 12

女性の心血管系疾患の予測における C 反応性タンパクと他の炎症マーカー
C-Reactive Protein and Other Markers of Inflammation in the Prediction of Cardiovascular Disease in Women

P.M. RIDKER, C.H. HENNEKENS, J.E. BURING, AND N. RIFAI

背景

 炎症は心血管系イベントの病態発生に役割を担っていると考えられているので,このようなイベントのリスクの予測を向上させる一つの方法として,炎症マーカーの測定が提案されている.

方 法

 みかけ上健康な閉経後の女性 28,263 例を対象として,平均追跡調査期間が 3 年を超える前向きのコホート内症例対照研究を実施し,研究開始時の炎症マーカーの値との関連が認められた心血管系イベントのリスクを評価した.これらのマーカーとしては,高感度 C 反応性タンパク(hs-CRP),血清アミロイド A,インターロイキン-6(IL-6),および可溶性細胞間接着分子 1 型(sICAM-1)などを検討対象とした.また,ホモシステインと,数種類の脂質およびリポタンパク質の測定値についても検討した.心血管系イベントは,冠動脈性心疾患による死亡,非致死的な心筋梗塞または脳卒中,あるいは冠動脈血行再建手技の必要性と定義した.

結 果

 評価した 12 種類のマーカーのうちでは,hs-CRP が,心血管系イベントのリスクのもっとも強力な単変量予測因子であった; すなわち,このマーカーの測定値が,その分布の最小四分位範囲内の女性に対する最大四分位範囲内の女性のイベントの相対危険度は,4.4 であった(95%信頼区間,2.2 ~ 8.9).これ以外に心血管系イベントのリスクとの有意な関連が認められたマーカーは,血清アミロイド A(最小四分位に対する最大四分位の相対危険度,3.0),sICAM-1(2.6),インターロイキン-6(2.2),ホモシステイン(2.0),総コレステロール(2.4),低比重リポタンパク(LDL)コレステロール(2.4),アポリポタンパク B-100(3.4),高比重リポタンパク(HDL)コレステロール(0.3),および HDL コレステロールに対する総コレステロールの比(3.4)であった.脂質だけでなく炎症マーカーも組み入れた予測モデルは,リスクの予測ということにおいては,脂質の値にだけ基づいたモデルよりも有意に優れていた(p < 0.001).hs-CRP および血清アミロイド A の値は,LDL コレステロールの値が全国コレステロール教育プログラム(the National Cholesterol Education Program)で一次予防の目標値として設定されている 130 mg / dL(3.4 mmol / L)未満の女性の部分集団においてさえも,このリスクの有意な予測量であった.多変量解析では,このリスクを他の影響を受けずに独立して予測していた唯一の血漿マーカーは,hs-CRP(最小四分位に対する最大四分位の相対危険度,1.5; 95%信頼区間,1.1 ~ 2.1)と,総コレステロール/ HDL コレステロールの比(相対危険度,1.4; 95%信頼区間,1.1 ~ 1.9)であった.

結 論

 心血管系イベントの危険性がある女性を同定する方法は,脂質の値に基づいたスクリーニングに C 反応性タンパクの測定を加えることによって改良できるかもしれない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 836 - 43. )