The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

November 9, 2000 Vol. 343 No. 19

典型的な 21-ヒドロキシラーゼ欠損症の患者における副腎髄質の形成異常と機能低下
Adrenomedullary Dysplasia and Hypofunction in Patients with Classic 21-Hydroxylase Deficiency

D.P. MERKE AND OTHERS

背景

 グルココルチコイドは,副腎髄質の正常な発生と機能の発現には必要不可欠である.先天性副腎皮質過形成症(CAH)の患者において,副腎髄質の構造および機能が正常であるのかどうかがわかっていない.

方 法

 21-ヒドロキシラーゼ欠損症による先天性副腎皮質過形成症の小児 38 例(うち 25 例が塩喪失型,13 例が単純男性化型),これらの小児と年齢をマッチさせた正常被験者 39 例,および両側副腎摘出術を受けた患者 20 例において,血漿中および尿中のカテコールアミンと血漿中のメタネフリンの測定を行った.副腎の組織学的検査については,これらの患者とは別の両側副腎摘出術を受けた 21-ヒドロキシラーゼ欠損症の 3 例の患者から採取した副腎の検体と,別の 8 例の患者から剖検時に得られた検体で行った.

結 果

 エピネフリンおよびメタネフリンの血漿中濃度とエピネフリンの尿中排泄は,正常被験者よりも,先天性副腎皮質過形成症の患者で 40 ~ 80%低く(p < 0.05),コルチゾール産生が最も高度に欠損していた患者でもっとも低かった.エピネフリンの尿中排泄と血漿中濃度は,先天性副腎皮質過形成症の患者の 8 例(21%)と副腎摘出術を受けた患者の 19 例(95%)で検出限界以下であった.先天性副腎皮質過形成症の患者群では,エピネフリンおよびメタネフリンの血漿中濃度とエピネフリンの尿中排泄は,副腎クリーゼのために入院していた患者が,そうではなかった患者よりも約 50%低かった.両側副腎摘出術を受けた先天性副腎皮質過形成症の 3 例の患者では,副腎髄質の形成が不完全であり,電子顕微鏡検査からは,クロム親和性細胞の分泌小胞が枯渇していることが示された.

結 論

 先天性副腎皮質過形成症は,副腎髄質組織の発生およびその機能発現の両方を損なう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1362 - 8. )