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November 23, 2000 Vol. 343 No. 21

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慢性関節リウマチ患者におけるロフェコキシブ(Rofecoxib)とナプロキセンの上部消化管毒性の比較
Comparison of Upper Gastrointestinal Toxicity of Rofecoxib and Naproxen in Patients with Rheumatoid Arthritis

C. BOMBARDIER AND OTHERS

背景

上部消化管の臨床的有害事象は,毎年,非選択的非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を服薬している患者の 2~4%に発現している.本試験では,慢性関節リウマチ患者における臨床的に重要な上部消化管イベントの発生率が,非選択的 NSAID のナプロキセンよりも,シクロオキシゲナーゼ 2 の選択的阻害剤であるロフェコキシブ(Rofecoxib)で低くなるか否かを評価した.

方 法

年齢が 50 歳以上(またはグルココルチコイドの長期療法を受けている 40 歳以上)の慢性関節リウマチ患者 8,076 例を,ロフェコキシブ 50 mg 1 日 1 回連日投与またはナプロキセン 500 mg 1 日 2 回連日投与に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,確認された上部消化管の臨床的有害事象(胃十二指腸穿孔または閉塞,上部消化管出血,および症状性の胃十二指腸潰瘍)であった.

結 果

ロフェコキシブとナプロキセンの慢性関節リウマチに対する有効性は同程度であった.追跡調査期間の中央値であった 9.0 ヵ月間に確認された消化管イベントは,ロフェコキシブでは 100 患者-年当り 2.1 であったのに対して,ナプロキセンでは 100 患者-年当り 4.5 であった(相対危険度,0.5;95%信頼区間,0.3~0.6;p<0.001).確認された事象(穿孔,閉塞,および重症の上部消化管出血)の合併率は,ロフェコキシブとナプロキセンのそれぞれで,100 患者-年当たり 0.6 および 1.4 であった(相対危険度,0.4;95%信頼区間,0.2~0.8;p = 0.005).心筋梗塞の発現率は,ナプロキセン群の患者のほうがロフェコキシブ群の患者よりも低かった(0.1% 対 0.4%;相対危険度,0.2;95%信頼区間,0.1~0.7); 2 群の全死亡率と心血管系の原因による死亡率については同程度であった.

結 論

慢性関節リウマチ患者において,シクロオキシゲナーゼ 2 の選択的阻害剤であるロフェコキシブによる治療は,非選択的阻害剤であるナプロキセンによる治療よりも,上部消化管の臨床的に重要な事象が有意に少ないという結果に結びついている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1520 - 8. )