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November 30, 2000 Vol. 343 No. 22

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慢性関節リウマチの治療におけるインフリキシマブとメトトレキサート
Infliximab and Methotrexate in the Treatment of Rheumatoid Arthritis

P.E. LIPSKY AND OTHERS

背景

腫瘍壊死因子 α(TNF-α)を 3~6 ヵ月間中和すると,慢性関節リウマチ(RA)の症状および徴候が軽減する.しかし,この方法でより持続する利益が得られるかという点と,関節障害に対する効果についてはわかっていない.

方 法

メトトレキサートの治療にもかかわらず慢性関節リウマチの活動的性が高かった 428 例に,プラセボまたはインフリキシマブ(infliximab)による治療を,経口メトトレキサートとの併用下に行った.インフリキシマブは,TNF-α のキメラ型モノクローナル抗体であり,体重 1 kg 当り 3 mg または 10 mg を,それぞれ 4 週間隔または 8 週間隔で 54 週間静脈内投与した.臨床効果は米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)の基準を用いて評価し,QOL は健康状態の質問票で,関節障害に対する効果は X 線写真で評価した.

結 果

インフリキシマブとメトトレキサートの併用療法は,忍容性に優れ,慢性関節リウマチの症状と徴候を持続的に軽減させる結果となり,その程度はメトトレキサートの単剤療法よりも有意に大きかった(臨床効果,51.8% 対 17.0%;p<0.001).QOL も,インフリキシマブとメトトレキサートの併用療法のほうが,メトトレキサートの単剤療法よりも有意に優れていた.X 線写真による関節障害を示す所見は,メトトレキサートの単剤療法群では増加したが,インフリキシマブとメトトレキサートの併用療法群では増加は認められなかった(X 線写真のスコアの平均変化,7.0 対 0.6;p<0.001).また,インフリキシマブ治療患者では,臨床効果が得られたかどうかにはかかわらず,関節障害の進行を示す X 線像も認められなかった.

結 論

メトトレキサートの治療にもかかわらず活動性慢性関節リウマチが持続している患者において,メトトレキサートとの併用によるインフリキシマブの反復投与は,臨床的に有益で,関節障害の進行を止める.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1594 - 602. )