The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

July 6, 2000 Vol. 343 No. 1

女性における食事および生活習慣による冠動脈心疾患の一次予防
Primary Prevention of Coronary Heart Disease in Women through Diet and Lifestyle

M.J. STAMPFER, F.B. HU, J.E. MANSON, E.B. RIMM, AND W.C. WILLETT

背景

 冠動脈心疾患については,生活習慣に関連した多数の危険因子が同定されているが,これらの危険因子を考えあわせたときの疾患のリスクに対する影響はほとんどわかっていない.

方 法

 看護婦健康研究(the Nurses' Health Study)に参加し,1980 年の研究開始時点において心血管疾患,癌,および糖尿病と診断されていなかった 84,129 例の女性を対象とした追跡調査を行った.食事および生活習慣に関する情報は,定期的に更新した.14 年間の追跡調査中に,1,128 件の重大な冠動脈イベント(296 件が冠動脈心疾患による死亡,832 件が非致死的心筋梗塞)が確認された.対象者のうち,次のような者を低リスク状態と定義した; 調査時点に喫煙していなかった者,体格指数(BMI : 体重[ kg ]を身長[ m ]の 2 乗で割った値)が 25 未満の者,アルコール飲料の 1 日摂取量が平均すると少なくとも半杯の者,適度から激しい身体活動(速い歩調の歩行を含めることは可能とした)を平均で 1 日少なくとも半時間行っている者,および穀物線維,魚介類の n - 3 系列の脂肪酸,および葉酸を高含有し,飽和脂肪酸に対する多不飽和脂肪酸(PUFA)の比率が高く,食事によって血糖値が上昇する程度を表しているトランス型脂肪と血糖負荷の少ない食事の摂取についてのスコアがコホート全体の上位 40%までに含まれる者.

結 果

 検討した因子の多くは互いに相関しあっていたが,年齢,家族歴,高血圧症または高コレステロール値の診断の有無,および閉経状態でさらに補正しても,それぞれの因子は,リスクの独立した有意な予測因子であった.低リスク群の女性(本研究集団の 3%を占めていた)の冠動脈イベントの相対危険度は,低リスク群以外のすべての女性との比較で 0.17(95%信頼区間,0.07 ~ 0.41)であった.本研究のコホートに発現した冠動脈イベントの 82%(95%信頼区間,58 ~ 93%)は,この低リスクの食事および生活パターンが守られていなかったことによるものと考えることができた.

結 論

 女性では,食事,運動,および禁煙などの生活習慣についてのガイドラインを忠実に守ることが,冠動脈心疾患のリスクを大きく低下させることに結びついている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 16 - 22. )