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日本語アブストラクト

November 30, 2000 Vol. 343 No. 22

妊娠中の葉酸拮抗薬と先天的欠損のリスク
Folic Acid Antagonists during Pregnancy and the Risk of Birth Defects

S. HERNANDEZ-DIAZ, M.M. WERLER, A.M. WALKER, AND A.A. MITCHELL

背景

 妊娠中の女性に対する総合ビタミン剤の栄養補給は,その乳児に心血管系の欠損,口蓋裂,および尿路奇型などのリスクを減少させている可能性がある.そこで,われわれは,母親の葉酸拮抗薬の服用とこれらの先天奇形の関連を調べることによって,総合ビタミン剤の葉酸成分が,先天奇形のリスクを低下させているかどうかを評価した.

方 法

 ジヒドロ葉酸還元酵素阻害薬として作用する葉酸拮抗薬とある種の抗てんかん薬への曝露について,心血管系欠損の乳児 3,870 例,口蓋裂の乳児 1,962 例,および尿路奇型の乳児 1,100 例において評価するとともに,ビタミン剤の栄養補給によって低下しないリスクについても,先天奇形の対照乳児 8,387 例において評価した.これらの母親には,分娩後 6 ヵ月以内に,妊娠中における服薬についての面接調査を行った.

結 果

 最終月経周期後 2 ~ 3 ヵ月の期間に,ジヒドロ葉酸還元酵素阻害薬に曝露した母親から産まれた乳児の心血管系欠損と口蓋裂の相対危険度は,曝露しなかった母親から産まれた乳児に対して,それぞれ 3.4(95%信頼区間,1.8 ~ 6.4)および 2.6(95%信頼区間,1.1 ~ 6.1)であった.母親が抗てんかん薬に曝露した後の心血管系欠損,口蓋裂,および尿路欠損の相対危険度は,それぞれ 2.2(95%信頼区間,1.4 ~ 3.5),2.5(95%信頼区間,1.5 ~ 4.2),および 2.5(95%信頼区間,1.2 ~ 5.0)であった.葉酸を含有している総合ビタミン栄養補助薬の服用は,ジヒドロ葉酸還元酵素阻害薬の有害作用を減少させたが,抗てんかん薬にはこのような作用は認められなかった.

結 論

 葉酸拮抗薬は,トリメトプリム,トリアムテレン,カルバマゼピン,フェニトイン,フェノバルビタール,およびプリミドンのような一般的な薬剤であるが,神経管欠損のリスクだけでなく,心血管系の欠損,口蓋裂,および尿路奇型のリスクも上昇させる可能性がある.逆に,複合ビタミン剤に含まれている葉酸は,これらの欠損のリスクを低下させる可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1608 - 14. )