The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 22, 2001 Vol. 344 No. 12

子癇前症の素因としての父親および母親由来の要素
Paternal and Maternal Components of the Predisposition to Preeclampsia

M.S. ESPLIN AND OTHERS

背景

子癇前症には遺伝性の母親由来の素因が存在する.しかしながら,父親由来の素因が存在するのか否かについてはわかっていない.

方 法

ユタ州人口データベース(the Utah Population Database)の記録を利用して,1947 ~ 57 年のあいだに,妊娠中に子癇前症にかかった母親から産まれた 298 例の男性と 237 例の女性を同定した.この研究集団の男性,女性それぞれの被験者に対して,被験者にマッチし,子癇前症を合併していなかった妊娠で産まれた非血縁者の対照被験者を 2 人ずつ同定した.次に,研究被験者の男性 298 例および女性 237 例から 1970 ~ 92 年の期間に産まれた子供を,それぞれ 947 例と 830 例同定した.そして,これらの子供に対照被験者の子孫をマッチさせた(男性対照集団の子孫 1,973 例,女性対照集団の子孫 1,658 例).子癇前症との関連が認められた因子を同定して,オッズ比を逐次的ロジスティック回帰分析を用いて求めた.

結 果

母親が子癇前症であった男性集団(男性研究集団)では,子癇前症を合併した妊娠で産まれた子孫の割合は 2.7%(947 例中 26 例)であったのに対して,男性対照集団では 1.3%(1,973 例中 26 例)であった.女性研究集団では,子癇前症を合併した妊娠で産まれた子孫の割合は 4.7%(830 例中 39 例)であったのに対して,女性対照集団では 1.9%(1,658 例中 32 例)であった.母親が子癇前症であった成人において,その子供が子癇前症を合併した妊娠で産まれるオッズ比は,子孫の出生年,母親の分娩歴,および子孫の分娩時の在胎週数で補正を加えた場合に,男性の研究集団が 2.1(95%信頼区間,1.0 ~ 4.3;p = 0.04),女性の研究集団が 3.3(95%信頼区間,1.5 ~ 7.5;p = 0.004)であった.

結 論

子癇前症を合併した妊娠で産まれた男性と女性は,どちらにおいても,対照の男性および女性よりも,子供が子癇前症を合併した妊娠で産まれる可能性が有意に高かった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 867 - 72. )