March 29, 2001 Vol. 344 No. 13
臨床診療における水痘ワクチンの有効性
The Effectiveness of the Varicella Vaccine in Clinical Practice
M.VAZQUEZ AND OTHERS
米国では 1995 年 3 月に水痘の弱毒化生ワクチンの使用が承認され,生後 12 ヵ月以上の感染の可能性のある人に,このワクチンの予防接種が推奨されている.
水痘ワクチンの有効性を評価することを目的として,水痘の小児 1 例に対して 2 例の対照を,年齢および小児科診療施設によってマッチさせた症例対照研究を実施した.水痘が疑われた小児症例を,コネチカット州のニューヘブン地域の小児科診療の能動的監視によって同定した.これらの小児を,研究助手が,発症第 3 病日,第 4 病日,または第 5 病日に訪問して,その重症度を評価し,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で水痘帯状疱疹ウイルスの検査を行うための検体を病変から採取した.
1997 年 3 月~2000 年 11 月までに,潜在的症例の 330 例についてのデータ収集が完了した.これらのうち,PCR 法による水痘帯状疱疹ウイルスの検査結果が陽性であった小児は 243 例(74%)であった.水痘にかかった小児のうち,水痘ワクチンの予防接種を受けていた 56 例では,その 86%が軽症であったのに対して,ワクチンの予防接種を受けていなかった 187 例では,軽症は 48%にすぎなかった(p<0.001).PCR 法で水痘帯状疱疹ウイルスが確認された 202 例の小児とこれらの小児にマッチした 389 例の対照のうち,水痘ワクチンの予防接種を受けていたのは,水痘の小児の 23%とマッチした対照の 61%であった(ワクチンの有効性,85%;95%信頼区間,78~90%;p<0.001).やや重症および重症の水痘に対する水痘ワクチンの有効性は 97%(95%信頼区間,93~99%)であった.この水痘ワクチンの有効性は,条件付きロジステッィク回帰によって交絡の可能性のある要因で補正してもほとんど変化しなかった(87%).
水痘ワクチンは臨床診療で使用されると非常に有効である.