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August 30, 2001 Vol. 345 No. 9

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切除可能な直腸癌に対して直腸間膜全摘術と併用した術前放射線療法
Preoperative Radiotherapy Combined with Total Mesorectal Excision for Resectable Rectal Cancer

E. KAPITEIJN AND OTHERS

背景

短期間の術前放射線療法と直腸間膜全摘術は,それぞれが,切除可能な直腸癌の患者において,病気の局所管理を改善することが示されている.術前放射線療法の追加によって直腸間膜全摘術の有益性が増大するか否かを確定するために,多施設共同無作為試験を実施した.

方 法

切除可能な直腸癌の患者 1,861 例を,術前放射線療法(5 Gy を 5 日連日照射)と直腸間膜全摘術(924 例)または直腸間膜全摘術のみ(937 例)のいずれかに,無作為に割付けた.試験は,放射線療法,手術,および病理学技術の一貫性を保証するために,標準化および品質管理の手段を用いて実施された.

結 果

二つの治療群のうちの一つに無作為に割付けられた 1,861 例の患者のうち,1,805 例が試験への参加に適格であった.適格患者の 2 年全生存率は,放射線療法と手術の併用に割付けられた群では 82.0%,手術単独に割付けられた群では 81.8%であった(p = 0.84).肉眼的に完全な局所切除が行われた 1,748 例の患者では,2 年局所再発率が 5.3%であった.この 2 年局所再発率は,放射線療法+手術併用群では 2.4%,手術単独群では 8.2%であった(p < 0.001).

結 論

短期間の術前放射線療法は,標準化された直腸間膜全摘術を受ける直腸癌の患者において,局所再発のリスクを低下させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 638 - 46. )