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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 28, 2016
Vol. 374 No. 4
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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慢性リンパ性白血病に対する BCL2 阻害薬ベネトクラクス
BCL2 Inhibition with Venetoclax in CLLBCL2 経口阻害薬は,難治性の慢性リンパ性白血病患者の大部分に良好な奏効をもたらす.この薬剤はきわめて有効であるため,治療開始時には腫瘍崩壊症候群の予防策が必要である.
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再発慢性リンパ性白血病に対するアカラブルチニブ
Acalabrutinib in Relapsed CLLアカラブルチニブは,ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の不可逆的阻害薬であり,画期的新薬であるイブルチニブよりも,BTK に対する選択性が高い.再発慢性リンパ性白血病患者を対象とした第 1・2 相試験において,アカラブルチニブに大きな抗腫瘍効果が認められた.
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腎移植におけるベラタセプト
Belatacept in Kidney Transplantationこの試験では,腎移植レシピエントに対する免疫抑制療法として,高強度ベラタセプトレジメン,低強度ベラタセプトレジメン,シクロスポリンレジメンのいずれかに割り付け,7 年間の有効性と安全性を評価した.ベラタセプトの両レジメンは,患者・移植腎生存率が有意に優れていた.
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僧帽弁閉鎖不全症に対する手術治療
Surgical Treatment of Mitral Regurgitation重症虚血性僧帽弁閉鎖不全症患者で,僧帽弁形成術に割り付けられた例と僧帽弁置換術に割り付けられた例とでは,2 年の時点での左室リモデリングと死亡率に群間で有意差は認められなかった.僧帽弁逆流の再発頻度は形成術群のほうが高かった.
SPECIAL ARTICLE
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医療過誤損害賠償を請求される傾向にある医師
Physicians Prone to Malpractice Claims米国の医療過誤データの解析では,医師の 1%が,支払いにいたった損害賠償請求全体の 32%を占めていた.将来的に医療過誤損害賠償を請求されるリスクは,過去の損害賠償請求の件数に応じて上昇した.過去に支払いにいたった損害賠償請求の件数が 3 回の医師は,2 年以内にもう 1 回請求される確率が 24%であった.
REVIEW ARTICLE
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脳の疾患としての依存症
Addiction as a Brain Disease依存症の神経生物学は,薬学的手段と行動的手段の両方を用いた神経回路の遮断という,可能性のある方法への方向性を示している.報酬回路と情動回路を変化させることで,依存症の予防と治療につながるかもしれない.
PERSPECTIVE
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研修申込みのプロセス
The Residency Application Process医学部の最終学年はなぜ,医学生やレジデント,研修プログラムのニーズや要望に応えるものではないのか? 問題点の一つは,研修プログラムの準備と出願が,非常に面倒なプロセスを経る必要があることにある.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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巨大 a 波
Cannon A Waves65 歳の男性が,1 時間前に突然動悸と息切れが発現したため受診した.男性は過去に同様のエピソードを 3 回発現していたが,それ以外に既知の症状はなかった.頸静脈拍動検査にて認められた巨大 a 波を動画で示す.
CLINICAL DECISIONS
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非浸潤性乳管癌 ― いまも手術が正解か?
Breast DCIS — Is Surgery Still the Answer?この双方向性の特集記事では,1 症例を提示し,綿密な経過観察を支持するエッセイと,放射線照射の併用または非併用下で行う乳腺腫瘤摘出を支持するエッセイを紹介している.NEJM.org で投票し,コメントを述べてください.
NEJM QUICK TAKE
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腎移植におけるベラタセプトと転帰
Belatacept and Outcomes in Kidney Transplantation腎移植を受けた患者に免疫抑制療法を行うことによって同種移植片拒絶反応の発現率は低下しているが,標準治療では同種移植片の機能を十分に維持できない場合がある.別の治療レジメンでは転帰は改善するであろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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オピオイドの処方を標的にする
Targeting Opioid PrescribingDaniel Alford が,処方者を教育することで,どのように処方オピオイド誤用の蔓延に対処できるかについて論じている.