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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 6, 2022
Vol. 386 No. 1

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 重症再生不良性貧血に対するエルトロンボパグ
    Eltrombopag in Severe Aplastic Anemia

    重症再生不良性貧血患者に対する免疫抑制療法(ウマ抗胸腺細胞グロブリンとシクロスポリン)と,同療法+エルトロンボパグとを比較した無作為化試験で,エルトロンボパグを追加した療法のほうが迅速かつ完全な奏効を得られた患者の割合が高かった.重度の有害事象の発現率は両群で同程度であった.体細胞変異が検出された患者の割合は両群で増加したが,白血病の増加にはつながらなかった.

  • 悪性黒色腫に対するニボルマブと LAG-3 阻害薬の併用
    Nivolumab plus LAG-3 Blockade in Melanoma

    存在が明らかにされている 2 つの免疫チェックポイントが,癌治療の標的として用いられている.LAG-3 は,リンパ球活性化を阻害する 3 番目の免疫チェックポイントである.抗 LAG-3 モノクローナル抗体レラトリマブは,この阻害を抑制する.悪性黒色腫患者において,レラトリマブとニボルマブの併用により,無増悪生存期間にニボルマブ単剤を上回る利益が認められた.

  • 5~11 歳における BNT162b2 Covid-19 ワクチン
    BNT162b2 Vaccine against Covid-19 in 5-to-11-Year-Olds

    5~11 歳児における BNT162b2 ワクチンについて,第 1 相試験で以降の試験で検討する用量が決定され,10 μg を 21 日間隔で 2 回接種する第 2・3 相試験が開始された.重篤な有害事象は認められなかった.高い中和抗体価が誘導され,2 回目の接種後 7 日目以降のワクチン有効率は 90.7%であった.

  • イチゴ腫の根絶を目的とするアジスロマイシン
    Azithromycin for Yaws Eradication

    梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の亜種 pertenue はイチゴ腫を引き起こす.パプアニューギニアのコミュニティベースで行われたクラスター無作為化試験で,イチゴ腫の伝播を減らす効果は,アジスロマイシンの集団投与を 3 回行うほうが,集団投与を 1 回行ってから標的治療を行うよりも高かった.

SPECIAL ARTICLE

  • 制限なしのミフェプリストンによる中絶の転帰
    Abortion Outcomes with Unrestricted Mifepristone

    オンタリオ州で得た人口ベースの行政データから,ミフェプリストンが通常の処方で使用可能になった後は,ミフェプリストンが入手できなかった期間と比較して,中絶率に変化はなく,薬剤による中絶の割合は急速に増加し,有害事象と合併症に変化はなかった.

REVIEW ARTICLE

  • ヘビ咬傷
    Snakebites

    ヘビ咬傷

    ヘビの毒注入は世界的な健康問題である.臨床的後遺症のなかには,血栓症や神経筋麻痺などがある.ウマ抗毒素とヒツジ抗毒素が第一選択の治療であるが,咬傷源の正確な同定が必要であり,アナフィラキシーと血清病を引き起こす可能性がある.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 「錯乱状態」に困惑する
    Confused about Confusion

    CAR-T 療法後数日でびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫が再発した 49 歳の女性が,錯乱状態となった.単語をつなぎ合わせることができず,見当識障害が認められたが,神経学的検査で病巣は認められなかった.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 硝子体中に浮遊する囊胞
    Free-Floating Cyst in the Vitreous

    硝子体中に浮遊する囊胞

    健康な 18 歳の男性が,1 日前から瞬きすると左眼に「ボールが浮かんで見える」と訴え,眼科を受診した.細隙灯顕微鏡検査(動画で示す)にて,硝子体中に浮遊する球状,褐色の腫瘤を認めた.虹彩色素上皮囊胞と診断した.

NEJM QUICK TAKE

  • 重症再生不良性貧血に対するエルトロンボパグ
    Eltrombopag in Severe Aplastic Anemia

    重症再生不良性貧血に対するエルトロンボパグ

    重症再生不良性貧血の標準治療には,ウマ抗胸腺細胞グロブリン+シクロスポリンによる免疫抑制療法が含まれる.初期研究で,この免疫抑制療法へのエルトロンボパグの追加により転帰が改善される可能性が示されたが,さらなる研究が必要とされている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 未治療悪性黒色腫に対するレラトリマブ
    Relatlimab in Untreated Advanced Melanoma

    治療歴のある悪性黒色腫患者に対するレラトリマブとニボルマブの併用には抗腫瘍活性が示されているが,治療歴のない悪性黒色腫患者でも利益が得られるかどうかは検討が必要である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 5~11 歳における BNT162b2 Covid-19 ワクチン
    BNT162b2 Covid-19 Vaccine in 5-to-11-Year-Old Children

    5~11 歳における BNT162b2 Covid-19 ワクチン

    BNT162b2 Covid-19 ワクチンは,米国などで 12 歳児にも接種可能となった.12 歳未満に対する安全,有効な Covid-19 ワクチンが必要とされている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 米国の公衆衛生システム
    The U.S. Public Health System

    米国の公衆衛生システム

    Joshua Sharfstein が,米国の公衆衛生機関が地域,州,連邦レベルで場当たり的であることについて論じている.