ペルシャ湾岸戦争復員軍人の子供における出生時障害のリスク
THE RISK OF BIRTH DEFECTS AMONG CHILDREN OF PERSIAN GULF WAR VETERANS
D.N. COWAN, R.F. DEFRAITES, G.C. GRAY, M.B. GOLDENBAUM, AND S.M. WISHIK
ペルシャ湾岸戦争での軍務が復員軍人の健康に有害な作用を及ぼしているという疑いがもたれており,これら復員軍人の子供では出生時障害の割合が増加しているという主張がある.
1991 年,1992 年,1993 年に 135 ヵ所の軍病院でのすべての生存出産に関して日常的に収集されたデータを評価した.データベースには,各出産時の入院に対して第 9 改訂国際疾患分類,臨床改変(ICD-9-CM)から最大 8 個の診断が記載され,これに加えて人口統計学的特徴および両親の軍務歴に関する情報が含まれた.新生児 75,000 人以上の記録を,何らかの出生時障害(ICD-9-CM コード 740~759,これに加えて悪性新生物および遺伝疾患)および特異的診断と米国疾病対策予防センター(CDC)の基準に基づいて重度と定義された出生時障害に関して評価した.
試験期間中,軍病院では湾岸戦争復員軍人に新生児 33,998 人が,そして配備についていない復員軍人に 41,463 人が生まれた.何らかの出生時障害の総合リスクは 7.45%で,重度の出生時障害のリスクは 1.85%であった.これらの割合は市民集団で報告された割合と同様であった.多変量解析では,湾岸戦争での軍務と,彼らの子供における何らかの出生時障害または重度出生時障害のリスクとのあいだに,男女いずれについても有意差を認めなかった.
この分析では,湾岸戦争復員軍人の子供における出生時障害のリスク増加の証拠を認めなかった.