The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

April 3, 1997 Vol. 336 No. 14

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

切除可能な直腸癌における術前放射線療法による生存の改善
IMPROVED SURVIVAL WITH PREOPERATIVE RADIOTHERAPY IN RESECTABLE RECTAL CANCER

SWEDISH RECTAL CANCER TRIAL

背景

直腸癌のアジュバント放射線療法は広く研究されているが,局所再発率の低下にもかかわらず,放射線療法による総合生存率の改善を明白に証明した臨床試験はない.

方 法

1987 年 3 月~1990 年 2 月までのあいだに,80 歳未満で切除可能な直腸癌患者 1,168 人を無作為割付けし,術前放射線療法(25 Gy を週 5 回に分けて照射)を行ってその後 1 週間以内に手術を行うか,もしくは手術のみを行った.

結 果

放射線照射により術後の死亡率は増加しなかった.追跡調査 5 年後,局所再発率は術前に放射線療法を受けた群では 11%(553 人中 63 人),そして手術単独で治療した群では 27%(557 人中 150 人)であった(p<0.001).この差は Dukes 病期に従って分類したすべてのサブグループについて認められた.総合 5 年生存率は放射線療法+手術群では 58%,そして手術単独群では 48%であった(p=0.004).治癒的切除で治療した患者中,癌に特異的な 9 年生存率はそれぞれ,74%および 65%であった(p=0.002).

結 論

高用量術前放射線療法の短期治療により,切除可能な直腸癌患者における局所再発率が低下し,生存率が改善する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 980 - 7. )